相続・税金

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誰でもできる相続・節税対策の王道 賢い「生前贈与」 税理士 内藤 克

2017/12/1

「先生、最近よく『生前贈与』という言葉を聞きますが」
「はい。2015年には相続税の増税もありましたからね」
「それって、どういう時にやればいいんでしょう」
「生前贈与を行うケースは大きく2つに分かれます。1つは子供が家を買うから援助してあげるなど、必要に迫られて行う場合ですね」
「もう1つは?」
「相続対策として行う場合です。後者は継続して行わなければ節税効果が出ないんですが、いずれにせよ行き当たりばったりの贈与ではダメです」

今回は賢い生前贈与のやり方を考えてみましょう。

生前贈与による相続対策の基本は、例えば30%など高い税率の「相続税」を、10%といった低い税率の「贈与税」にシフトすることにより節税効果を狙うものです。相続税も贈与税も超過累進税率を採用しているため、課税財産が大きくなれば税率も高くなって税金は加速度的に増えます。

そのため短期間に集中して贈与を行うと相続税率よりも高くなってしまうので、数年から十数年などある程度の期間をかけ、継続して行うことになります。特定の相続人や特定の年度に集中して贈与を行っても節税効果は期待できません。とにかく「資産の集中を避け」「時間をかけて少しずつ分散させる」ということです。

生前贈与は相続対策の中でも最も身近で、誰にでもできる節税策であるといえます。しかし生前贈与により相続人の間に不公平が生じてしまうこともありますし、現預金などの流動的な資産を贈与したために不動産ばかり残ってしまって、納税資金がショートすることもあります。そのため行き当たりばったりではなく、税負担率が最小になるようにあらかじめ納税計画を作成した上で、継続して行う必要があるのです。

■自分の税率ゾーンを把握する

生前贈与を行うにあたり、まずやらなければならないのは現状分析です。正しい現状把握なしには対策の立てようがありません。手順は下記の通りです。

(1)いくら相続税がかかるのか試算する

相続税の計算過程は複雑ですが、最近はマネー誌や各種税金シミュレーションサイトにわかりやすく記載されています。もちろん、国税庁のサイトの「タックスアンサー」も頼りになります。冒頭の会話の通り、税制改正によって2015年1月以降は相続税の基礎控除額が引き下げられている(=増税)ので、常に最新情報をもとに計算するよう注意してください。

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