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パラ競技追う「学生記者」 競技の魅力、SNSで発信 東京大会に向け、競技会場周辺のバリアフリー調査も

2017/12/4 日本経済新聞 朝刊

視覚障害者柔道の大会を取材する法政大の伊藤さん(奥)=11月26日、東京都文京区

 2020年東京パラリンピックの成功に向け、裏方として支える学生たちがいる。障害者スポーツの競技団体は多くが慢性的な人手不足。新聞サークルの経験を生かしPRを担ったり、会場周辺のバリアフリーの状況を調べたりと、それぞれの分野で尽力する。東京大会開幕まで1000日を切り、学生らは「自分にできることから支援していきたい」と意気込んでいる。

 11月26日、講道館(東京・文京)で開かれた全日本視覚障害者柔道大会。目が不自由な選手らが組み合った状態から試合を開始する瞬間、法政大4年の伊藤華子さん(21)が一眼レフカメラのシャッターを切った。

 伊藤さんは学内のスポーツ新聞サークルでの経験を生かし、16年7月から後輩2人とNPO法人「日本視覚障害者柔道連盟」(同)のPRを担当している。

 プロの記者に交じって大会や選手の記者会見を取材し、交流サイト(SNS)に記事を投稿。同連盟がスポンサーなどに提供する写真、動画の撮影も担う。

 同連盟事務局の河野貴子さん(38)は「事務局スタッフは5人しかおらず、なかなか広報まで手が回らなかった」と振り返る。競技写真はコーチ陣が試合や練習の合間に撮っていたが「大学生の写真は臨場感があり、競技の魅力が伝わる」と喜ぶ。

 新聞サークルの学生が競技を宣伝する取り組みは16年、日本財団パラリンピックサポートセンター(東京・港)の呼びかけで始まった。現在は首都圏9大学の学生が計14の競技団体に派遣されている。

 障害者スポーツの競技団体は慢性的な人員不足で、PRは後回しになりがち。同センターの担当者は「学生が宣伝することで若い世代が興味を持ってくれるのでは」と期待する。

 首都圏の約30大学の学生がつくる「学生団体おりがみ」は17年7月、東京パラリンピックでゴールボールなど4競技の会場となる幕張メッセ(千葉市)周辺のバリアフリー調査を同市のNPO法人と企画した。

 おりがみなどが開いたイベントに参加した地元高校生が発案。身体障害がある大学生3人や中高生ら約70人が参加した。「自動販売機のボタンが高い位置にあって車いすでは押せない」「点字ブロックの色が不鮮明で弱視の人が見づらい」といった改善すべき点を千葉県と千葉市に伝えた。

 おりがみは東京大会を盛り上げようと大学生が14年に設立。障害者スポーツの体験会やパラリンピックをテーマにした講演会を開くなどしてきた。千葉大4年の都築則彦代表(23)は「東京パラリンピックをきっかけに障害者への理解が深まるよう役立ちたい」と話している。

[日本経済新聞朝刊2017年11月29日付を再構成]

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