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食の達人コラム

愛媛のカツ丼、ソースに存在感 カツライスにも地元色 カツ丼礼賛(10)

2017/12/1

 四国にカツ丼のイメージはあまりない方が多いだろうが、4県の中では愛媛がかなり面白い。以前、岡山のデミカツ丼と加古川のかつめしをデミ系ソースのカツ丼として紹介したが、愛媛県、特に今治市はデミ系ソースのメニューがかなり幅を利かせている。

 今治市でも普通にカツ丼といえば、玉子とじのほうが一般的なのだが、カツライスというと、ちょっとイメージと違うものが出てくる。関東出身の私にとっては、カツライスという語感からは、とんかつ定食とあまり変わらないものが出てくると思っていた。ところが今治では全く違うのだ。

「ハンター」のカツライス 皿の底にまでソースが

 老舗洋食店の「ハンター」は昭和46年創業。料理が来た瞬間「あれ、カツカレー頼んでないけど……」と思うほどのソースの量に驚く。関西のカツにはたっぷりのソースがかかることはあるが、関東ではカツに大量のソースがかかるケースはほとんど見ない。

 このスタイルのカツライスの発祥は、現在は閉店した「グリルタイガー」というお店だ。「ハンター」は「グリルタイガー」出身で、タイガーを超えようと名前を付けたとは、ある地元の方の話。その話を確認したわけではないので、真偽の程は定かではないが、現在の「ハンター」が、市民に愛されていた「グリルタイガー」に勝るとも劣らない地元の人気店であることは間違いないだろう。

「お食事処たつ」のカツ丼 デミソースがたっぷりかかる

 少数派ではあるが、カツ丼もデミ系ソースのカツ丼を出す店がある。こちらも地元の人気洋食系食堂の「お食事処たつ」だ。昭和51年創業。ご飯に半熟玉子が敷かれその上にカツ、デミソースがたっぷりかかる。カツは厚く、しかし柔らか。

 最初は玉子があることに気が付かなかったが、食べ始めてすぐに気づく。とんかつとごはんの熱で少しずつ固まるが、全体の印象は半熟玉子オムライスのどんぶり版といったところ。ご飯に玉子とカツが別々にのるのは、デミ系ソースに限らず、知る限りこちらのカツ丼だけ。唯一無二のカツ丼だ。

 ちなみに今治のカツライスは基本オンザライスで提供されるが「たつ」にあるカツライスはセパレートタイプでご飯と別で出される。今治ではむしろ珍しい。その上カツ系メニューが豊富。カツラーメンもあり、さらにデカ盛りのジャンボカツ丼やジャンボカツ定食などもあり、味だけではなく、話題豊富な名店といえる。

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