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それでも親子

タレント・稲村亜美さん 母の「冷たさ」で壁超える

2017/12/1

1996年、東京都出身。2015年、CMでバットを振る姿が「神スイング」と話題に。バラエティーやスポーツ番組に多数出演。「関根勤のスポパラ」(文化放送)レギュラー出演中。

 著名人が両親から学んだことや思い出などを語る「それでも親子」。今回はタレントの稲村亜美さんだ。

 ――CMで豪快にバットを振る姿が「神スイング」と話題になりました。

 「兄2人の影響で野球を始め、小学1年から中学3年までしていました。ポジションは投手と一塁手。打つのも投げるのも大好きでした」

 「体を動かすのが好きなのは母の影響でしょうか。母はバスケットボールをしていましたが、父は全くスポーツをしたことがありません。両親とも試合を見に来てはくれましたが、助言は一切なし。それほど野球に興味がなかったのかもしれません」

 「父は体が大きく、身長は190センチメートルありました。運動神経こそ違いますが、体格は父譲り。私も現在、173センチメートルあります。おかげで力強くスイングができ、投げる球速も上がりました」

 ――お父さんはしつけに厳しかったとか。

 「父が起床すれば家族全員が起きなければならず、食事中は全員正座。門限を破ると家に入れてくれません。建築業を営んでいた父は頑固一徹で、とにかく厳しかった。怒られるのが怖くて、兄妹ゲンカをした記憶もありません」

 「一方で、おちゃめな一面もあります。小学3年の時、父が犬を連れて帰ってきたのです。私や兄が欲しがっていたのを思い出し、サプライズで用意してくれました。でも、チワワを飼いたいと言っていたのに、犬種はミニチュアダックスフント。うれしい半面、複雑でもありました」

 ――どこか憎めないお父さんですね。

 「そんな父は私が小学4年の時に他界。母が会社の経営を引き継ぎ、女手一つで育ててくれました。あいさつや箸の持ち方など、礼儀やマナーを徹底するようにたたき込まれました。その姿はどこか父と重なりました」

 「中学2年の頃、野球チーム内で女子が私一人だけになりました。キャッチボールの相手を見つけるのも一苦労。次第に辞めたいと思うようになりました。悩みを母に打ち明けると、『辞めたかったら辞めればいい』と返され、冷たく感じました」

 ――お母さんはなぜそんな言葉をかけたのでしょう。

 「私自身が途中で投げ出すのを嫌いだと知っていて、わざと突き放したのだと思います。母の一言で続けようと火が付き、壁を乗り越えました。あの経験は私に、諦めないことと、何かをなし遂げる大切さを教えてくれました」

 「目標が2つあります。まずはプロ野球の始球式を全球団のホーム球場ですること。残りは2カ所で、広島の本拠地・マツダスタジアムと、巨人の本拠地の東京ドーム。来シーズンにもできればうれしいです。もう1つは始球式の球速の自己記録更新。現在は時速103キロメートル。2つをなし遂げる瞬間を母に見てほしい。成長した姿を見せることが親孝行かなと思います」

[日本経済新聞夕刊2017年11月28日付]

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