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ビジネス英語・今日の一場面

意図が伝わらないとき 絶対トラブルを招く3つの英語 デイビッド・セイン「影の英語」(55)私が言いたかったのは…

2017/11/30

 ひとつの言葉は様々な顔を持っています。日本人の言葉が意図していない意味合いで伝わることもあります。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんが、日本人が使いがちな言葉から「影にある意味」を紹介します。今回は、説明の意図が相手に伝わらないとき、さらに言葉を続ける場面です。

◇  ◇  ◇

 同僚に自分の提案の意図を説明しようとするとき、ほとんどの人は自分の説明が明確であり、相手は当然同意するものと期待します。その予想に反して、どうも相手に自分の意図が伝わらない。なぜ分からないのだろうか……少し苛立ちを感じてしまうこともあります。

▲Please listen carefully.
正しい訳:よく聞いてください。
影の意味:ちゃんと聞きなさい。

 「いいですか、私の言うことをちゃんと聞きなさいよ。私の言うことさえ聞いていれば分かりますからね」のニュアンス。「今まできちんと聞いていなかったから誤解があったと思いますよ」という上から目線のひと言になります。

▲You're misunderstanding me.
正しい訳:誤解しているようです。
影の意味:誤解があるのはあなたに原因があるからでしょう。

 misunderstand「誤解する」の主語がyou「あなた」になっていることで、「原因はあなた。あなたが悪い」と言っいるような印象を与えます。

▲No, that's not what I said.
正しい訳:いや、そういうことではないんです。
影の意味:違います。そのことを言っているわけではありません。

 No. と否定することで「怒っている」印象を与えるかもしれません。これも上から目線のひと言になります。

これなら「影の意味」はない!

◎I'm afraid my explanation wasn't very good.
 すみません。私の説明があまりよくなかったかもしれませんね。

 うまく伝わらない原因を「あなた」ではなく、自分に求めています。「私の説明が悪かったから誤解がありましたね」のひと言があれば、相手が気を悪くすることはありません。Let me try again. 「もう一度説明しますね」と言ってもう一度説明すれば言うことはありません。

* Sorry, my explanation was confusing. すみません。私の説明が分かりにくかったですね。

◎I'm sorry for confusing you. Let me explain it a different way.
 混乱させてすみません。違った方法で説明してみましょう。

 Let me try to explain that better. 「もう少しうまく説明してみます」もへりくだった言い方になります。

I'm sorry, what I meant to say was…
 すみません。私が言いたかったのは~。

 …was の後にもう一度、言いたいことを言い直してみましょう。これはネイティブがよく使う方法です。最後にDoes that make sense? は「それで意味をなしますか?/理にかなっていますか?」すなわち「私の言うことで大丈夫ですか?」と尋ねることで確認をとりましょう。

あなたが知らない本当の使い方―― mis…

 mistake「間違える、誤解する、誤り、ミス」misunderstand 「誤解する」から分かるようにmis は「誤って」を意味する接頭辞です。「故意ではなく偶発的な」のニュアンスを含んでいます。接頭辞の意味を覚えておくことは単語を楽に覚える秘訣でもあります。

I'm afraid I misheard you. Could you say that again? すみません、聞きそこないました。もう一度言っていただけますか?

* mishear:聞きそこなう、聞き違える

Sorry, but you're mispronouncing my name. It's Kato, not Kado. すみません、私の名前の発音が違っています。加藤です。「かど」ではありません。

* mispronounce:誤って発音する

I didn't know you were doing so much work. I'm sorry for misjudging you. あなたがそんなにも多くの仕事をしていることを知りませんでした。誤った判断をしてすみませんでした。

* misjudge:誤った判断をする、不当に評価する

Some of our employees were misbehaving in the seminar. 私たちの従業員の中には、セミナーで無作法に振舞った人がいました。

* misbehave:無作法に振舞う、不品行をする、不正をする

How do you think we should deal with the misfits? 私たちは、うまく順応できない人をどのように扱ったらよいと思いますか?

* misfit:(名)集団にうまく順応しない人、不適任者

I have serious misgivings about selling our office building. 私たちのビルを売却することについては深刻な懸念を抱いています。

* misgiving:(名)懸念、疑念、不安  やや硬い言い方

In some countries, it's considered to be a misdemeanor to talk with a person of the opposite sex in public. 公共の場で異性と話をすることが不品行と考えられている国があります。

* misdemeanor: 不品行、非行、軽罪 *demeanorは「ふるまい、態度」の意味なので、「悪い品行」すなわち「不品行」になります。

 ネット上の言葉であった「ディスる」は最近では日常会話でも使われるようになってきました。そもそも「ディスる」とは何のことでしょうか。

 実はこれはdisrespect から発生した言葉。respect「尊敬する、敬意を表する」に接頭辞 dis をつけたもので、「尊敬しない、見下す、侮辱する」を意味します。disは「否定、不、非」などを表す接頭辞です。

 agree(賛成する)―disagree (反対する)、advantage(優位、長所)―disadvantage(不利益、不利な立場)などは代表的なものでしょう。

 Why are you dissing me? 「なぜ私をディスるの?」 Sorry, I didn't mean to dis you. 「 ごめん、ディスるつもりはなかったんだ」のように若者たちはよくdisを動詞として使います。気軽の使えるフレーズですが、でもビジネスの現場では使うことはまずないと思った方が無難です。

 間違って誤情報を出してしまうことがあります。これはmisinformation。ここには騙そうとする意思はなく、ついうっかりの意味があります。それと対極にあるのがdisinformation. 相手を攪乱するためにわざわざ流す偽情報のことを言います。

 このように同じ単語に別の接頭辞がつく言葉があります。「不信」を意味するdistrust とmistrust.「彼には以前、ひどい目に合わされているからね」のように自身の経験や、あるいは信頼できる情報から不信を抱くのがdistrust. 「彼って何かうさん臭いよね」のように人や物などに対する落ち着かない、何か信じられない思いを抱くのがmistrustです。同じinformationやtrustでも「接頭辞」が違えば意味の違いが生まれてきます。

Have a nice day!

:D セイン

デイビッド・セインの「ビジネス英語・今日の一場面」は木曜更新です。次回は12月7日の予定です。

デイビッド・セイン David Thayne
 米国出身、20数年前に来日。 翻訳、通訳、執筆、英語学校経営など活動は多岐にわたる。企業や学校の人気セミナー講師。英語関連の出版物の企画・編集を手掛けるAtoZ(http://www.atozenglish.jp)・AtoZ 英語学校代表。

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