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アプリで個人間送金 手数料ゼロ、相手の口座情報不要 送金は1日10万円が上限

2017/12/2

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 スマートフォン(スマホ)を使って個人間で少額のお金をやり取りできるアプリが増えています。手数料がかからず、相手の銀行口座の情報を知らなくても送金できるのが特徴です。どんな仕組みなのか見ていきましょう。

■LINE Pay、「友だち」に送金

 友人と飲食して割り勘で払おうとしたら、財布の中に小銭や小額紙幣がなく、立て替えてもらうしかなかった――。そんなケースで、借りたお金を返すときに便利なのが個人間送金アプリです。

 現在、LINEが「LINE Pay」、ヤフーが「ヤフー!マネー」の名称で展開しています。前者を例にすると、LINEに登録してある「友だち」に対して送金できます。

 送るお金は事前に、銀行口座振替などの方法によりアプリにチャージしておきます。そのうえで、相手と金額を指定して、送金の操作をします。相手の預金口座番号を入力するといった操作は不要です。送金できるのは1円単位で、1日10万円が上限です。

■受け取った「お金」、買い物の支払いに

 相手はLINE Payに登録していれば、お金を受け取ることができます。そのお金は、一種の電子マネーとして、コンビニエンスストアやオンラインストアなどの加盟店で、買い物代金の支払いに使うことができます。運営会社が指定する手数料を払えば、ATMから現金で引き出すことも可能です。(LINE Payはタブレットでは送金のメッセージは見られるが、送金の受け取りや決済にはスマホが必要)

 送金サービスを利用するには原則として事前に本人確認を受けなければなりません。100万円以下の送金は銀行以外で認められますが、不正な資金洗浄に悪用されないよう厳格な本人確認を義務付けています。資金移動業とよばれ、LINEやヤフーはこれにあたります。

 もっとも、利用者が本人確認で求められる手続きはさほど面倒ではありません。自分が持っている銀行預金口座についての情報を画面の指示に従って入力し、アプリ運営者が銀行側に照合して終わるのが通常です。

■本人確認なしで送金できるサービスも

 最近になり、本人確認を受けなくても送金ができるサービスも登場しています。2017年に事業を始めたKyash(東京・港)が一例です。一般的な電子マネーなどと同じ前払い式支払い手段という形態です。資金移動業とは違い、こちらは現金での出金が原則できません。

 LINEも17年8月、従来型の送金に加えて、現金出金ができない代わりに本人確認なしで送金ができる機能を追加すると発表しましたが、10月になり一転、中止を決めました。「出金機能があるなど、現金に近い感覚で使えるサービスのほうが利用者にメリットがあると判断した」(運営会社のLINE Pay)といいます。

 スマホアプリを使った送金・決済はIT(情報技術)を駆使した新しい金融サービスです。今後もIT企業が開発を競い、参入が増えそうです。運営会社によってサービス形態が異なる場合や、途中で事業方針が変わるといったことは今後も予想されます。利用する側は、サービスの内容だけではなく、運営会社の事業方針についても知っておく必要がありそうです。

[日本経済新聞朝刊2017年11月25日付]

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