マネー研究所

日経マネー 特集セレクト

お金の劣等生は「コンビニでちょっと買い物」が好き 実力派FP3人が語る 老後に備えるお金の知識(上)

日経マネー

2018/2/6

左から藤川太さん(家計の見直し相談センター)、塚原哲さん(FPI-J 生活経済研究所長野)、横山光昭さん(マイエフピー)
日経マネー

 会社員が3000万円の老後資金をためるのは難しいのが現実。ならば資産運用でと考えるかもしれないが、こちらの現実はどうなっているのだろうか。3人の実力派FPに、老後資金と資産運用について語り合ってもらった。2回に分けて紹介する。

◇  ◇  ◇

■老後資金をつくるために投資した方がいい?

塚原哲 私は会社員は投資をやっていい人とやってはいけない人がいると考えています。やっていい人は負債のない方だけ。住宅ローンがあるなら返済が最優先です。「1%で借りておいて、5%で運用すればいい」みたいな発言も耳にしますが、あまりに軽率です。

 融資金利にはブレがありませんが、運用にはブレがあります。1%で借りたら、きっちり1%の利息を取られますが、毎年5%運用なんて普通はできませんよ。ブレが大きいと元本割れする可能性が高い。大きな会社の社員は年収の6~7倍の住宅ローンを当たり前のように組んでいます。つまり、投資してはいけない人がほとんどです。

横山光昭 大切なのは全体のバランスですよね。住宅ローンあり、貯蓄なしでは、さすがに投資はないでしょう。「老後不安」という言葉もそうですが、メディアで目にする言葉や断片的な知識に振り回されている方がとても多い気がします。

 例えば「iDeCo(イデコ)」とか「つみたてNISA」も「税金が安くなる」と聞いて飛び付く人がいます。それぞれいい制度ですが、誰にとってもいいとは限りません。投資経験ゼロなら60歳まで止まれないiDeCoではなく、普通の課税口座で少額から始めた方がいいでしょうし、そもそも足元の家計がちゃんと回っているのかという話もありますし……。

塚原 私の接している会社員の場合、投資をしている人は大きく2つに分かれます。一つは自分から投資を始めた人。もう一つが会社でのDC(確定拠出年金)導入から感化されて他でも始められた人。前者は少数ですが、後者は増えてきています。もともとは何もしていなかったけれど、いきなり砂漠の戦地に連れて行かれて武器を渡され、はい、戦いなさいと言われたような感じですね。始めてみたら興味が湧いて他の金融商品も……となる人もいますが、将来不安を何とかするためとか、住宅ローンとの兼ね合いまで考えて運用している人は少ないかもしれません。

藤川太 私も「投資をしたいのですが、やった方がいいですか?」と聞かれることもありますが、「正直、どちらでもいいですよ」とお答えしてます。老後資金づくりの鍵は投資ではありませんから。他にもこれをすれば税金が安くなるとか、繰り上げ返済の損得とか、目先のテクニックが色々ありますが、優先すべきはキャッシュフロー、つまり「お金がたまる仕組み」を整えることです。キャッシュフローが余剰になれば、そのお金でローンを返してもいいし、投資をしてもいい。何とでもなる。

マネー研究所新着記事

ALL CHANNEL