深呼吸は鼻呼吸でもOK。やりやすいほうで行おう

<肩の回旋ストレッチ瞑想 やり方>

(1)両足を閉じた状態で椅子に座ります。背もたれにはもたれかからず、しっかりと背筋を伸ばしてください。もしくは肩幅程度に足を広げて立ってもOKです。目は閉じたほうが集中力が上がりますが、半眼程度に開いていても構いません。

(2)おへその両側に手のひらを置きます。おなかを大きく膨らませる腹式呼吸を2~3回行いましょう。両手のひらでおなかの膨らむ感じやへこむ感じをしっかり感じとりましょう。

(3)気持ちが落ち着いたら自然な呼吸に戻します。

(4)次に両手をゆっくりと動かして、右手で右肩、左手で左肩の先端をそっとつかみます。

(5)次に心の中で「右肩を回します」と言ってから、ひじで大きく外側に円を描くように、ゆっくりと肩を回旋させてください。

回しながら肩の関節の動きをじっくりと感じましょう。肩関節に連なっている腕の筋肉や僧帽筋(肩甲骨の上の筋肉)が引っ張られたり緩んだりする感覚も感じてみてください。もしかしたら肩の奥で「カクっ」と小さな音がするかもしれません。また服が皮膚に触れたり、皮膚から離れたりする感覚も感じることができるでしょう。そういったありとあらゆる感覚をキャッチしてみましょう。

(6)右肩の回旋を5~10回程度行って心地よくほぐれた感じがしたら「やめます」と心の中で言ってから動きを止めます。

(7)次に「左肩を回します」と心の中で言ってから、同様に左肩の回旋を行いましょう。右肩と同じように、骨、関節、筋肉から発せられるあらゆる感覚をキャッチして味わいながら回します。5~10回程度行って心地よくほぐれた感じがしたら「やめます」と心の中で言ってから動きを止めます。

好みのストレッチをマインドフルネス瞑想に活用しよう

この肩の回旋ストレッチのように、体を動かす前に心の中でしっかり確認を行い、ゆっくりと体を動かしながら一つひとつの筋肉、関節の動きや皮膚感覚などにじっくり集中していくとマインドフルネス瞑想効果が生まれます。

VDT症候群に効果的なストレッチは、一般的には「肩こり体操」「腰痛体操」などと呼ばれるタイプのストレッチです。ウェブサイトや本などでもたくさん紹介されていますので、時間があるときにでも検索してみてください。

オフィスのデスクで座ったままでできるものも多いので、ぜひあなたのお好みのストレッチを選んでマインドフルネス瞑想にアレンジして行ってみてください。ストレッチをマインドフルネス瞑想にアレンジして行うポイントは次の通りです。

(1)まず腹式の深呼吸をしっかり行い気持ちを落ち着ける。
(2)「○○を動かします」「〇〇を伸ばします」「〇〇を曲げます」などと動作を行う前に心の中で意識する。
(3)ゆっくりと動作を行いながら、ストレッチすることによって体に生じる感覚に集中する。筋肉や関節が伸びる感じ、皮膚が突っ張る感覚、服が擦れる音、骨の動く音などあらゆる感覚を感じ取るように意識を集中させる。

さっそく今日からIT作業を1時間するたびに、あなたのお好みのストレッチをマインドフルネス瞑想に変えてやってみませんか? 私はこうしたストレッチタイプのマインドフルネス瞑想はVDT症候群予防に最適だと考えています。IT機器から目を外し閉眼して行うために疲れ目予防になりますし、ストレッチ効果によって全身の血の巡りが良くなり筋肉のこりが和らぎます。さらにマインドフルネス瞑想効果によって「今ここ」へ心を戻すために、心が落ち着く効果や集中力がアップする効果も期待できます。

VDT症候群を予防することは、心身の疲労を予防することに直結しますし、ひいては作業効率を高めることにもつながります。つまり今話題の働き方改革にも通じるというわけです。IT機器に長時間接する人ほど、マインドフルネス瞑想で小休止を設ける習慣をぜひ身に付けてください。

(イラスト 新倉サチヨ)

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働く人に多い「過緊張」 1分マインドフルネスが効果

奥田弘美
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内20カ所の産業医として働く人を心と体の両面からサポートしている。著書には「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから」(扶桑社)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。

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