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オフィス疲れに 簡単マインドフルネス・ストレッチ

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

こんにちは、精神科医で産業医の奥田弘美です。風の冷たさに本格的な冬の到来を感じる時節となりました。あなたの心と体はお元気でしょうか? さて今日も前回「頭から足へボディスキャン瞑想 隠れた不調を早く察知」に引き続き、「オフィスでのマインドフルネス瞑想活用」をテーマにお伝えしたいと思います。

働く人を悩ますVDT症候群

皆さんは1日に何時間、パソコンやスマートフォン(スマホ)といったIT機器に向き合っていらっしゃるでしょうか? 現代の職場では、パソコンを中心としたIT機器を使った仕事が増える一方です。また本来はIT機器から離れて休息をとるはずのプライベート時間や通勤時間にさえも、スマホなどの急速な発達によってIT機器に触れる人が激増しています。そのため働く人の多くが、VDT症候群(Visual Display Terminal症候群)と呼ばれる症状を少なからず抱えています。

VDT症候群とは、パソコン機器、スマホなどのIT機器の使用が原因とされる眼精疲労、肩こり、頭痛、腰痛、倦怠(けんたい)感、めまいなどの症状の総称です。

IT機器に長時間向かい合って作業すればするほど、全身の血の巡りが悪くなり肩・首・上腕・背中などを中心とした筋肉が緊張し、こりや疲れがどんどんたまります。また近距離でディスプレーを凝視すると、まばたきの回数が減り、疲れ目や目の乾燥が進みます。

特にディスプレーが目線より高い位置に設置されていると、まぶたがより大きく開き、目の乾燥が進みやすくなります。逆に持ち歩きタイプのノートパソコンのような小さすぎる画面を長時間凝視して作業し続けると、首がずっと下を向いたままになるため頸椎(けいつい)に負担がかかりやすくなります。

体に負担のかかる姿勢や環境でIT作業をすればするほど、VDT症候群の症状は悪化しやすく、時には仕事に支障をきたすほどの眼痛、頭痛、腰痛、背部痛やめまい、眼精疲労が生じることがあります。それがさらに悪化すると不眠、全身倦怠感、微熱、イライラ、抑うつなどの重い症状に至る場合もあります。

2008年に厚生労働省が発表した「平成20年技術革新と労働に関する実態調査結果の概況」によれば、仕事でパソコン機器を使う労働者の68.6%が疲れや自覚症状を感じているとのこと。その症状の内容としては、90.8%が「目の疲れ・痛み」、74.8%が「首、肩のこり・痛み」を訴えており、「腰の疲れ・痛み」「背中の疲れ・痛み」「頭痛」の訴えもそれぞれ20%以上となっています。また精神的なストレスを感じていると答えた労働者は34.6%にも上ります。皆さんの職場にも、このような症状を感じている方が多いのではないでしょうか?

VDT症候群の予防は、こまめな休息から

実は2002年にはすでに、厚生労働省の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が発表されています。そこでは次のような作業管理の基準が示されています。

・「作業の継続は60分以内とし、60分を経過した時点で10~15分の休止時間をとること」
・「状況によっては、小休止を随時取り入れて連続作業時間を短くすること」
・「腰痛や肩こりを防止するためには、同じ姿勢を長く続けないこと」

これらの作業管理は、職場で一斉に行うことはできませんから、IT作業をする人それぞれが自分で意識して行う必要があります。しかしこのガイドラインに相当する休憩や小休止をきっちりと行えている方はごくわずかではないでしょうか? 私の産業医としての経験からも、はっきり言って皆無に近い状態です。

様々な企業の衛生委員会でもこのテーマを取り上げることが多いのですが、出席者の中からは「IT作業の合間に小休止といっても、何をしたらいいのか思いつかない」「根を詰めてやっていると3時間ぐらいあっという間に過ぎてしまう」「1時間に一度、パソコンから離れていたら仕事にならない」などと訴える方が続出します。

ちなみにガイドラインの「1時間に一度の休止時間」というのはIT作業から離れて別の仕事をしたらよいという意味なのですが、「そう都合よく1時間ごとに書類整理や電話のIT以外の業務があるわけじゃないし……」と言う方も少なくありません。

マインドフルネス瞑想でVDT症候群を予防

そこで私は「マインドフルネス瞑想」をぜひVDT症候群予防として活用していただきたいと考え、衛生委員会でもよく提案しています。

マインドフルネス瞑想として、ヨガのポーズを活用して行うストレッチタイプの瞑想方法がよく紹介されています。これは別にヨガのポーズをしなければいけないというわけではなく、ストレッチやヨガに代表されるような、ゆっくりと体を動かすタイプの運動ならばどんなものでもOKです。

ここではVDT症候群予防のストレッチとして最も簡単にできる「肩の回旋ストレッチ」を使ってそのやり方を解説してみたいと思います。

<肩の回旋ストレッチ瞑想 やり方>

(1)両足を閉じた状態で椅子に座ります。背もたれにはもたれかからず、しっかりと背筋を伸ばしてください。もしくは肩幅程度に足を広げて立ってもOKです。目は閉じたほうが集中力が上がりますが、半眼程度に開いていても構いません。

(2)おへその両側に手のひらを置きます。おなかを大きく膨らませる腹式呼吸を2~3回行いましょう。両手のひらでおなかの膨らむ感じやへこむ感じをしっかり感じとりましょう。

(3)気持ちが落ち着いたら自然な呼吸に戻します。

(4)次に両手をゆっくりと動かして、右手で右肩、左手で左肩の先端をそっとつかみます。

(5)次に心の中で「右肩を回します」と言ってから、ひじで大きく外側に円を描くように、ゆっくりと肩を回旋させてください。

回しながら肩の関節の動きをじっくりと感じましょう。肩関節に連なっている腕の筋肉や僧帽筋(肩甲骨の上の筋肉)が引っ張られたり緩んだりする感覚も感じてみてください。もしかしたら肩の奥で「カクっ」と小さな音がするかもしれません。また服が皮膚に触れたり、皮膚から離れたりする感覚も感じることができるでしょう。そういったありとあらゆる感覚をキャッチしてみましょう。

(6)右肩の回旋を5~10回程度行って心地よくほぐれた感じがしたら「やめます」と心の中で言ってから動きを止めます。

(7)次に「左肩を回します」と心の中で言ってから、同様に左肩の回旋を行いましょう。右肩と同じように、骨、関節、筋肉から発せられるあらゆる感覚をキャッチして味わいながら回します。5~10回程度行って心地よくほぐれた感じがしたら「やめます」と心の中で言ってから動きを止めます。

好みのストレッチをマインドフルネス瞑想に活用しよう

この肩の回旋ストレッチのように、体を動かす前に心の中でしっかり確認を行い、ゆっくりと体を動かしながら一つひとつの筋肉、関節の動きや皮膚感覚などにじっくり集中していくとマインドフルネス瞑想効果が生まれます。

VDT症候群に効果的なストレッチは、一般的には「肩こり体操」「腰痛体操」などと呼ばれるタイプのストレッチです。ウェブサイトや本などでもたくさん紹介されていますので、時間があるときにでも検索してみてください。

オフィスのデスクで座ったままでできるものも多いので、ぜひあなたのお好みのストレッチを選んでマインドフルネス瞑想にアレンジして行ってみてください。ストレッチをマインドフルネス瞑想にアレンジして行うポイントは次の通りです。

(1)まず腹式の深呼吸をしっかり行い気持ちを落ち着ける。
(2)「○○を動かします」「〇〇を伸ばします」「〇〇を曲げます」などと動作を行う前に心の中で意識する。
(3)ゆっくりと動作を行いながら、ストレッチすることによって体に生じる感覚に集中する。筋肉や関節が伸びる感じ、皮膚が突っ張る感覚、服が擦れる音、骨の動く音などあらゆる感覚を感じ取るように意識を集中させる。

さっそく今日からIT作業を1時間するたびに、あなたのお好みのストレッチをマインドフルネス瞑想に変えてやってみませんか? 私はこうしたストレッチタイプのマインドフルネス瞑想はVDT症候群予防に最適だと考えています。IT機器から目を外し閉眼して行うために疲れ目予防になりますし、ストレッチ効果によって全身の血の巡りが良くなり筋肉のこりが和らぎます。さらにマインドフルネス瞑想効果によって「今ここ」へ心を戻すために、心が落ち着く効果や集中力がアップする効果も期待できます。

VDT症候群を予防することは、心身の疲労を予防することに直結しますし、ひいては作業効率を高めることにもつながります。つまり今話題の働き方改革にも通じるというわけです。IT機器に長時間接する人ほど、マインドフルネス瞑想で小休止を設ける習慣をぜひ身に付けてください。

(イラスト 新倉サチヨ)

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働く人に多い「過緊張」 1分マインドフルネスが効果

奥田弘美
 精神科医(精神保健指定医)・産業医・労働衛生コンサルタント。1992年山口大学医学部卒。精神科医および都内20カ所の産業医として働く人を心と体の両面からサポートしている。著書には「1分間どこでもマインドフルネス」(日本能率協会マネジメントセンター)、「何をやっても痩せないのは脳の使い方をまちがえていたから」(扶桑社)など多数。日本マインドフルネス普及協会を立ち上げ日本人に合ったマインドフルネス瞑想の普及も行っている。

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