中小型株で資産を2.1倍に 割安株を地道に探す株取引で資産倍増 会社員の取引テクニック(中)

日経マネー

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「子供が生まれたことをきっかけに、株式投資に本格的に取り組んで資産を増やそうと思い立った」

こう話すのは、30代の兼業投資家のまるのんさん(ハンドルネーム)だ。2014年1月に、将来の利益から見て値段が割安で、中長期で安定的な業績の伸長が見込める「割安成長株」を中長期で保有する投資を始めた。

それ以前は、「小遣いを稼ぐ遊び感覚で時価総額の大きな大型株を短期で売買して、売却益を得ていた」。一転して異なる手法を採用したのは、「株式投資は運にも左右されるが、長期的に見れば努力が報われる」と考えたからだ。

17年のリターンは30%超

本格的に投資を始める前に、複数の著名なブロガーのブログを読み込み、様々な投資法を勉強した。そうした中で出合ったのが、割安成長株投資だった。この投資法では、成長株に投資しているゆうゆーさん(同)のブログ「ゆうゆー投資法」が最も参考になったという。

年間のパフォーマンス(運用成績)は、14年が24.6%、15年が19.7%、16年が8.3%と、いずれもTOPIX(東証株価指数)を 大きく上回った。17年は11月2日時点で年初比32.2%と大幅なリターンを達成。現金を含めた運用資産は、3年10カ月で元手の600万円の2.1倍の1300万円近くまで膨らんだ。

具体的にどのような投資をしているのか。詳しく見ていこう。投資する銘柄は、時価総額1000億円以下の中小型株が中心だ。銘柄を選ぶ際には、「成長性」「安定性」「割安性」の3つの項目を最も重視している。

3つの観点から銘柄を選ぶ

成長性は、どんな事業で成長を志向しているのかを理解できて、今後3~5年は営業利益の伸長が見込まれることを投資の条件としている。

安定性は、不況への耐性や収支モデルの強さ、事業の価値、市場ニーズなどを勘案して、その会社の事業に安定した優位性があるかどうかを判定する。

割安性は、次のような手順で判定する。まず、直近の決算の実績EPS(1株当たり純利益)に、自分で想定した利益の伸び率を掛けて3~5年後の想定EPSを求める。この想定EPSに、会社の事業の安定性を考慮して設定した3~5年後の想定PER(株価収益率)を乗じて目標株価を算出する。そして、目標株価と現在の株価を比較して、価格の差が目標利回りの10%を上回っていれば、「割安」と判断して投資の対象にする。

さらに、営業キャッシュフローや自己資本比率を見て資金繰りなどを確認し、株主を意識した経営をしていることもチェックする。

投資を検討する銘柄は、『会社四季報』やIR(投資家向け広報)のイベントで探すことが多い。想定した業績拡大のシナリオが崩れたら売却するので、「懸念されることや分からないことは、企業に電話してIR担当者に聞く」。この行動力も、これから株式投資を始める人には参考になりそうだ。

「目先の損得に踊らされず、自分で納得のいく地道な投資を今後も積み重ねていきたい」と、まるのんさんは語る。

(日経マネー 中野目純一)

[日経マネー2018年1月号の記事を再構成]

日経マネー 2018年2月号

著者 :日経マネー編集部
出版 : 日経BP社
価格 : 750円 (税込み)


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