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週末レシピ フライパンでお気楽パエリア、主役はコメ

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NIKKEI STYLE

週末に自宅で手軽に作れ、ランチに、晩ごはんに使えるレシピをご紹介する「週末は家めしクッキング」。今回はパエリア。しかもフライパンひとつで簡単に作れ、材料もこの上なくシンプルという、お気楽パエリアを作っていこう。

【材料(2人前)】

コメ 1合(約150グラム) / アサリ 15個 / プチトマト 6個 / タマネギ 小さめ1/2個 /ニンニク 少々 /オリーブオイル 大さじ1~2 / 水分 300ミリリットルくらい / サフラン ひとつまみ / 塩 / 好みでパセリ、白ワイン、チキンブイヨンの素など

パエリアとはそもそもどういう意味か。

実は調理器具の名前だ。パエリアが盛られている両側に持ち手のついた平たい専用鉄鍋、あれの名前が「paellera」で、paelleraで作られたコメ料理をパエリアというのだ。つまり今から作ろうとしている「自宅の適当なフライパンで作るパエリア」は正式にはパエリアではないのだが、それはそれ。バレンシアの大地のように、ゆったりした気持ちで見てほしい。

パエリヤはもともと野外で、炭や薪の火で作る男の料理だった。もう題名も忘れてしまったが、学生時代に読んでいた本の中に、汗だくでパエリアを作る男が出てきて「スペイン男100人にパエリアの作り方を尋ねたら、100通りの答えが返ってくるだろう」と話すくだりがあったのを覚えている。

実際調べてみると、確かにパエリアのレシピには数多くの流派が存在する。しかし無限に見えるバリエーションの中にも、外してはならない3つのポイントがあった。

・オリーブオイルで具をいためる

・コメにスープを加えて煮る

・サフランの香りをつける

どうやらこのポイントさえ押さえていれば、堂々とパエリアを名乗っても良さそうだ。とはいえサフランに関してはかなり高価なスパイスであるため「粉末パプリカで十分」とか「黄色が欲しければターメリックで代用する」などの代替案も豊富である。サフランもパプリカも使わない、白いパエリアを食べたこともある。よし、サフランはあれば使う。なければ他の手段を検討する。それで行こう。

ではまずコメを用意しよう。ここでは1合としたが、食べる人数とフライパンの大きさによって増減することができる。水分はコメの倍量と覚えておけば、計量がいい加減でも大丈夫。コメは洗わずそのまま使う。

次に野菜だが、ニンニクとタマネギ、トマトはマストアイテム。他にグリーンピースやインゲン豆などもおいしい。具は今回はアサリだけとした。それはかつて「パエリアは豪華なほどうまい」と思っていた自分が、衝撃を受けたシンプルパエリアを再現したいからだ。

パエリアの発祥の地は、バレンシア近くにあるアルブフェラ湖周辺と言われている。つまり最古のパエリアは、この湖周辺でとれたウサギ、うなぎ、エスカルゴ、インゲン豆などを「あれば使う」くらいの、地味で質素なものだった。海老やムール貝は乗っていなかったのだ。

だが現在でも質素なパエリアを愛する人は多い。主役はコメだから具なんてなんでもいいという人もいる。だしガラになった海老パエリアを頼むより、シンプルパエリアと海老料理を別に頼んだ方がずっと賢明だと力説する人もいる。

いずれにしても「オリーブオイルとスペイン男の情熱さえあればパエリアはうまくなるのさ、はっはっは」ということらしい。みなさんもぜひ心の中にスペイン男を用意しておいてほしい。

では作り出すことにしよう。

まず下ごしらえから。

ニンニクは潰すか、粗みじん切りにしておく。タマネギはみじん切り。プチトマトはヘタをとり半分にカットする。アサリは殻をこすり合わせるようにしてよく洗っておく。

フライパンにニンニクとオリーブオイルを入れ、火をつける。オイルが温まってきたら、タマネギを軽く色づくまでいためる。トマト、アサリを入れていためたら最後にコメを入れ、再度よくいため合わせる。

コメの表面が透き通ってきたら、水分を8割程度加える。アサリの風味と塩気を生かしたいなら、水と白ワインだけでもいい。しっかりした味がお好みなら、チキンブイヨンの素を溶かしておく。具材にソーセージなど味のあるものを入れるときは、そのぶん塩気を加減する。ヘラなどでコメを平均にならしたら強火にし、一度沸騰させる。

沸騰したら中火に落とし、塩気を整える。このあと煮詰まるので、やや薄いかなという程度でOK。残りのスープを足しさらに煮る。水分が蒸発してコメの表面が見えてきたらフタをして、弱火で15分煮る。

さあもう少しだ。15分経ったらフタをとり、端っこを試食してみよう。中火だ、弱火だと言っても各家庭の台所事情はかなり違うため、この時点でほぼできている人もいるだろうし、まだ全然生煮えの人もいるだろう。これでよしと思えたら、火を止めフタをした状態で5分蒸らそう。

まだ全然生煮えならもう少し煮ていく。水分が足りなかったら大さじ1程度の水をふりかければいい。大丈夫、スペイン人だって「en su punto(煮え過ぎでもない、生煮えでもない、完璧な状態)」に仕上げるのは難しい、と言ってるのだから。自分のコメがいい状態になるまで、あと5分、あと3分と微調整しながら煮あげていこう。おこげの為、最後に1分ほど強火にするのもお忘れなく。

出来上がったらそのままフライパンを食卓へ。スペインでは食べるときには放射線状にスプーンで線を引いて、自分の領土をはっきりさせるのが古いしきたりだそうだ。この線を侵略することは、たとえ家長といえどご法度だったという。食べるのが遅い人も安心してゆっくり食べられるわけだ。

パエリアはオーブンに入れて炊き上げるレシピもあるが、今回は「もともと野外料理だった」ことを鑑みて、ずっとフライパンで火を入れ続ける方式を選択した。慣れるまで火加減と水分量とのバランスが難しいものだが、慣れてしまえばずっとコンロにかけているだけのお手軽料理でもある。近道としては「おコメを炊く」というより「おコメを煮て水分を吸わせる料理」だと意識するといいかもしれない。

日本人には意外でしかないが、パエリアは「パンと一緒に食べる」のが昔からの習慣である。パンのおかずにパエリアがある。パンと食べるために塩気を強くすることもある。なんならパンの上にパエリアを乗せて食らいついたりもする。「ふっくらもっちり日本のご飯」のイメージは、いったん頭から取り出そう。

湖のほとりで生まれたパエリアは、その土地その土地の産物を取り込み、スペイン各地を席巻していった。海辺のまちでは、豊富な魚介類とともに。山間部では肉や野菜を入れて。中には豚の耳、足、鼻などを入れラードで炊き上げたパエリアも存在するという。こうなるとパエリアの定義「オリーブオイルを使う」も怪しくなってくる。

だがそのゆるさが「パエリア」なんだろう。コメはいためるのか、いためずにスープに直接ふり入れるのか。魚介類は乗せてから煮あげるのか、最初に煮てだしをとっておくのか。具材にタブーはあるのか。魚と肉が共存するのはアリかナシか。レモンはかけるか、かけないか。もう共通項は、パエリアパンでコメを料理することだけだ。「100人いれば100通りのレシピがある」というのは、決して大げさな話ではない。

さあ冷蔵庫を開けよう。コメに合いそうな具材だったらなんでもいい、パエリアにしよう。心の中のスペイン男が情熱を持ってパエリアに仕上げてくれるだろう。

(食ライター じろまるいずみ)

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