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口コミ「最低500文字」 人材ビジネスが成立した理由 ヴォーカーズ 増井慎二郎社長(下)

2017/11/30

ヴォーカーズの増井慎二郎社長

 インターネットの普及に伴い、ユーザー自らが情報発信し、それを共有し合うサービスが次々と生まれている。口コミ情報サイトの「Vorkers(ヴォーカーズ)」もその一つだ。増井慎二郎社長が率いるヴォーカーズ(東京・渋谷)が運営している。いわば転職・就職分野での「食べログ」だ。しかし、1人で何店も食べ歩くことが可能なグルメとは違い、1人で何社も渡り歩く強者はそういない。増井氏はどうやって数多くの口コミを集めることに成功したのだろうか。

◇  ◇  ◇

 17年10月時点でヴォーカーズの登録ユーザー数は約180万人に達しました。これまでに蓄積された社員口コミ・評価スコアは約450万件に上ります。有料会員の登録料とヴォーカーズからのリンクで大手求人サイトへ人材を誘導した報酬を収入にするというビジネスモデルで動いています。

 厳密にいうと、「口コミ」と「評価スコア」は別のものです。口コミとはいわゆる自由投稿であり、ヴォーカーズの場合、500文字以上という決まりがあります。これとは別に回答してもらう評価スコアはアンケート調査であり、「待遇面の満足度」や「人材の長期育成」「風通しの良さ」など8項目を数値で評価してもらい、それを集計したものをチャート化して見せています。

 直近では1日あたりの新規登録者数は約2000人。利用者の68%は社会人で、つまり転職希望者が占めていますが、学生ユーザーも32%います。

 集めた口コミを株式投資に利用していただく試みもスタートしています。15年から金融機関へのデータ提供を始めました。これはサイトの立ち上げ当初から、一貫して質の高い口コミを集めることを意識してきた結果だと思っています。

■先輩とキャリアコンサルティング会社を立ち上げた

 新卒で入ったパソナを辞め、IT(情報技術)企業のインターロジックスに転職して2年目にあたる02年のことでした。パソナ時代の先輩から「人材紹介会社を立ち上げたいので、一緒にやらないか」と声をかけてもらいました。

 いずれは起業するつもりでしたから、一度、会社を立ち上げてみるのはいい経験になる。そう思い、先輩と2人でアンテロープキャリアコンサルティングという会社を27歳で立ち上げました。

 アンテロープは金融・コンサルティング業界に特化した「ブティック型」の転職支援会社です。もともと金融業界にいた先輩と違い、私自身は金融に強い興味・関心があったわけでも、業界知識があったわけでもありませんでした。それでも誘われた際、仕組みづくりという点でなら十分に貢献できるだろうと思いました。 

 人材ビジネスは「人を集める」段階と「集めた個人と企業をマッチングしてマネタイズする」という、大きく分けて2つの段階から成り立っています。特に初期の段階では、インターネットを活用しながらいかに多くの求職者を集めるかが競争上の優劣を決めます。

 前職での経験から、データベースを使った簡単なウェブアプリケーションを自分でつくれるぐらいにはなっていましたから、その点では役に立てるだろうと思ったのです。

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