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手足の冷え防ぐ6つのコツ カギ握るは「AVA血管」

日経Gooday

2017/12/1

 さらに、動脈からAVAに入り、そこを通過した血流は、静脈を通る間にも、腕全体から熱を逃がすなどしながら心臓に戻り、体温を調節していることも分かっている。

 「暑いときは皮膚表面に近い静脈を通って積極的に熱を逃がしながら戻り、寒いときには動脈と接する深部にある静脈を通ることで、動脈の熱をもらいながら温まった血液が心臓に戻ることで、うまく体温を調節しています」(平田さん)

 AVAは全身の体温調節のトータルバランスの中で、快適な温度より暑ければ開き、寒ければ閉じるという。私たちが意識しないところで微妙な感覚を感じ取り、体温を緻密にコントロールしているのだ。

■AVAの反応には個人差がある

 AVAの収縮・拡張の反応性の違いには個人差があり、冷え症の人とそうでない人の差につながる。

 「実験をしてみると、冷え症だと自覚する人は反応性が高く、誰もが温かいと感じる温度から少し低くなっただけでも寒いと訴え、実際に血流を測ってみると早い段階からAVAの収縮反応が起こり、血流が低下することが分かりました」(平田さん)

 同じ温度でも、人によって収縮が起こる段階に個人差があるというわけだ。この個人差の要因としては様々なものが考えられるが、腕や指、足が細く長いといった体格(容積の割に表面積がどれだけ大きいか)と、皮下脂肪や筋肉の量が大きな要因を占めるという。

 平田さんによれば、「皮下脂肪は断熱材」。皮下脂肪が多いと熱がなかなか逃げていかないので、AVAが拡張し、手足など末端の血流を増やしてそこから熱を逃がそうとする。そのため脂肪の多い人は手が温かい傾向がある。逆に脂肪が少なくやせている人は、もともと胴体から逃げていく熱量が多いため、わざわざ手足に血流を増やす必要がなく、少し温度が下がっただけでAVAが閉じるため手足が冷えやすいのだという(図3)。

(平田さんの資料を基に作成)

 「体格などの要因に加えて、服装との組み合わせで冷えを感じるかどうかは変わってきます。毛皮で覆われている動物と違って、人間は衣服で調節することができますから、自分の体形では何度くらいのときにAVAが開閉するのか(手足の冷えを感じるのか)を意識して、服装をうまく工夫してみてください」(平田さん)

■首元から全身を温め、AVAの収縮を防ごう

 AVAの働きをうまく活用して、その収縮を抑えるようにすれば冷えを効果的に防ぐことができそうだ。あくまでも全身の体温調節のトータルバランスの中で開閉するAVAは、手先などを部分的に温めても開かないため、全身の体温をいかに効率よく上げるかを考えるとよいそうだ。具体的なポイントは次の通り。

(1)首をマフラーなどで温める

 皮膚には冷たさを感じる「冷点(れいてん)」というものが存在するが、全身の中でもその分布密度が多く、感度が高いのは「首」や「顔」。太ももを1とすると顔・首は3倍くらい感度が高いという。顔を覆うのは難しいが、「首元をマフラーなどで温める、マスクをするなどは効果的」(平田さん)だ。

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