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立川談笑、らくご「虎の穴」

にわかランナー、寒さに負けジーンズをはく 立川談笑

2017/11/26

 テーマは「寒いったらありゃしない」。弟子ふたりのマクラ話に続けて、師匠の私も寒~い話を披露します。

 「あの人たちはどうして寒くないのかなあ」

 と、いつも不思議に思っていたのが長距離ランナーの皆さんです。都内にあるウチの近所でもずいぶん見かけます。朝といわず夜といわず。冬の寒さをものともせずタッタカ、タッタカと、かなりの速さで汗だくになって走ってる。ずいぶん真剣な雰囲気に、邪魔になっちゃいけないってんで、我々通行人たちが思わずササッと避けて道をあけたりして。そうして、厚手のコートだとかマフラーをした人たちの間をサーッ!っとすべるように駆け抜けていく、その格好が半袖Tシャツに半パン姿だったりするのです。冬なのに。あれ、寒くないんでしょうかねえ、と思ってました。

フル装備で「アスリート」

 ところが、かくいう私も数年前から街なかをトットコ走り始めました。40歳をとっくに過ぎた、陸上競技経験ゼロのおじさんです。長距離ランナー同様とはいきません。それどころかランナーなんておそれ多い。なにしろほとんど走らずに歩いてるばっかりだから、どちらかというとランナーというより体の大きなシロクマに近いレベルです。

立川談笑一門会で高座に上がる落語家の立川談笑さん

 シロクマながらも街なかを走るのですから、まずは人目を気にします。スタイルだけは最初からいっぱしのアスリートを目指して、シューズからウエアから、スポーツ店でバッチリそろえました。キャップをかぶって、ミラーになったそれっぽいサングラスをかけて。CW-Xなんてランナー用のタイツなんかはいちゃって。アスリートっぽさが格段に増して、なんだかうれしい。

 走れるときは朝からフル装備で街に出ます。ひたすらテクテク歩いて、気が向いたらトットコ走って。片耳に突っ込んだイヤホンからはお気に入りの音楽や落語が流れてきます。行きかう人たちや見慣れぬ街並みを「へー」とか「ほー」とか言って観察しながら、テクテク、テクテク。トットコ、トットコ。

 昼メシをめどに帰宅するまでが、ざっと3~4時間で、スマホのアプリによると15~18キロメートルと素人にしては結構な移動距離になります。

 寒くなってくると、防寒対策が必要になります。長そでのシャツ。さらにウインドブレーカーも。あとは手先が寒いからグラブ。これはスポーツ自転車用のものを買いました。重視したのは気密性と防水性。重さは考慮しません。なにしろこっちは本気で走るランナーじゃなくてほとんど歩いてるだけだもの。んでまたこのグラブが、無駄に頑丈でかっこいいんだ。

 いよいよ冬本番。寒さが厳しくなってくると、これまでの防寒では限界です。肌が露出している部分がつらくなってきました。まず耳が冷たくて、痛い。あと、鼻先。ほっぺた。体の方は、タイツに長そで、手袋に帽子と完全防備ですが、わずかに顔のあたりが露出していてその部分だけが寒さに耐えられないのです。痛い。冷たい。楽しくない。

公益とのはざまで揺れる

 そこで、あれこれ選んだ揚げ句に導入したのが、ネックウオーマーです。首に巻くとゆったりし、上に持ち上げて口元あたりからジッパーを上げるとピッタリと顔にフィットする。フェイスウオーマーになる優れモノです。ジャージーのような素材なので、ぶかぶかじゃなくてぴったりとフィットする様子は、たとえるなら忍者の覆面です。「新造人間キャシャーン」が一番分かりやすいんだけど、いや、分かりにくいのか。

 とにかくこれで懸案だった耳も鼻先もほっぺたも十分にカバーできる。寸分の隙もないとはこのことです。寒さを気にせず、どこまでも行ける。実にご機嫌な新装備の登場です。

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