マネー研究所

日経マネー 特集セレクト

定年はなくなる 生涯現役だけが安心老後の道(橘玲) 作家・橘玲氏に聞く 生涯現役を貫くべき理由(下)

日経マネー

2018/2/2

また、若者の価値が高まると社会が彼らを大事にするようになるはずです。ブラック企業のように安い給料で使い捨てにするのではなく、辞めさせないよう高給で報いることになる。若い人が働くことの価値が高まっている中で、女性だからといって専業主婦になって働かないというコストはどんどん上がっていくのです。

そう考えると、これからは投資して資産運用するという「金融資本」より、長く働いてお金を稼ぐという「人的資本」の方が重要な時代が来つつあるのかもしれません。もちろん投資は重要なのですが、「働く力」という人的資本をどうやって有効に使うのかをもう少し真剣に考えるべきだと思います。会社に入って、40年間働いて退職金をもらって、後の30~40年は何とかなるだろうという甘い時代は終わったのです。

■定年制が一番の問題

働き方のあり方も変わっていくと思います。サラリーマンというのは、60歳で退職金と引き換えに強制解雇され、その後を年金で暮らすという昔のモデルなんです。それは生涯現役で働き続けることを想定していない。サラリーマンという生き方をしている人が、60歳以降も働いてくださいと言われても、どうしていいか分からず困ってしまうのが実状でしょう。

定年制が一番の問題なんです。米国では既に定年制は廃止されています。企業業績が悪化した場合は金銭が支払われて解雇され、年齢などの理由で仕事ができなくなったと見なされた場合は退職金は支払われません。人を性別や人種といった属性で差別するのと同様に、年齢で差別するのも問題だとすれば、こういう制度になるほかないのです。

マネー研究所 新着記事

ALL CHANNEL