バブル崩壊か超強気か 18年相場を読む(窪田真之)楽天証券経済研究所所長兼チーフ・ストラテジスト

「2018年の相場を予想する上でカギになるのは景気だ」

早いもので、今年も残すところ1カ月余り。年末が近づくと、各メディアから翌年の株式相場見通しについてのアンケートがたくさん来ます。私の元にもアンケートが寄せられています。

そこで今回は、少々気が早いかもしれませんが、2018年の相場見通しについて考えてみたいと思います。17年は「米国第一」を掲げ、保護主義・排外主義の色彩が濃いトランプ政権が発足するなど、世界に政治不安が広がりました。トランプ政権の行方は引き続き懸念されますが、今のところは大事に至っていません。

夏場に緊迫化した北朝鮮問題もひとまず小康状態です。そうした中、世界景気の改善が続き、秋以降は世界的に株価が大きく上昇しました。日経平均株価は10月下旬に16日連続で上昇し、史上最長を記録。さらに、約21年ぶりに終値で2万2000円の大台を回復しました。まだ終わったわけではありませんが、17年は投資家にとって良い年だったといえるのではないでしょうか。

強弱感が分かれる株価見通し

さて、18年はどうでしょう? 実のところ、最近は「いいことばかり続くはずがない」と漠然と不安を感じる人が増えています。11月に入ると、日経平均株価は取引時間中に2万3000円台に乗せたものの、その後は急落しました。これにより、バブル崩壊を懸念する声が上がりました。一方、日経平均が3万円まで上昇するといった超強気の見通しも出ています。強弱感が分かれそうです。

カギは景気にあると思います。10月24日付コラム「与党大勝、外国人買い続くか 相場の焦点」でも述べましたが、東京証券取引所の6~7割の売買シェアを握る外国人投資家は、日本株について製造業の比率が高いので「世界景気敏感株」と見なしています。

秋以降に日経平均が大幅高となった最大の理由は、世界景気の回復でした。日本および世界景気が息切れすると、日経平均は下がってしまうでしょう。逆に景気の拡大が続くなら、日経平均のさらなる上昇が期待されます。株価を予想するには、まず景気がどうなるかを考える必要があります。

ただし、景気と株価は完全に連動するわけではありません。株には先行性があります。日経平均は景気循環より先に動くのです。過去の経験則では景気がピークアウトする半年から1年前に、株価もピークアウトしています。仮に来年の5~11月あたりに、景気がピークアウトするなら、日経平均は今が売り場ということになります。

株価は景気の半年から1年前に先行

近年の日経平均の動きを景気循環と比較してみましょう。株価チャートには内閣府の判断に基づく景気のピークと、ボトム(底)を書き込んでいます。株価に大きな影響を与えたものだけですが、ご覧いただくとわかる通り、日経平均は景気がピークアウトする半年から1年前にピークアウトすることが多いのです。

日経平均は1999年、景気が回復する中で、大きく上昇しました。このときの上昇相場は、「IT(情報技術)バブル相場」と呼ばれます。景気は2000年10月にピークをつけ、01年は世界的な「ITバブル崩壊不況」に入りますが、日経平均(およびIT関連株)はITバブルが崩壊する半年以上前の00年3月にピークアウトしています。

08年にはリーマン・ショックと呼ばれる世界不況がありました。日本の景気は08年2月にピークアウトしていますが、日経平均はそれより8カ月も早い07年6月にピークアウトしています。

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