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次世代イクメン、企業が育てる 「手伝う」→「担う」

2017/11/21 日本経済新聞 夕刊

育休中、自宅で資料づくりなどの仕事をするMSDの梅田真史さん(東京都江東区)

 男性社員が仕事と育児を両立しやすい組織づくりへ、取り組みを強化する企業が出てきた。若い世代に増える共働き社員の活躍や人材の多様性の実現には、男女問わず両立できる環境整備が欠かせないからだ。育児を手伝うイクメンから、育児を担う次世代イクメンへ。男性の育児参加は今度こそ進むのか。

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■育休中も働ける試験運用を利用 MSDの梅田真史さん

 製薬会社MSD(東京・千代田)のマーケティング部門で働く梅田真史さん(35)は7月末、三男が生まれた際に初めて育児休業を取った。休んだ期間は、有給休暇などを組み合わせて3カ月。妻の体調が回復するまでの1カ月弱は、子どもの世話も家事もほぼ1人でこなした。「この経験のおかげで、何でも分担できるようになった」と話す。

 育休取得へと背を押したのが、同社が試験運用していた育休中も働ける仕組み。一時的な業務が生じたとき、前日までに上司に連絡し、必要と認められれば就業できる。働いた時間分の給与も支払われる。「必要に応じて働けるので、休みやすかった」

 試験運用のきっかけは2015年、新潟の営業所でMR(医薬情報担当者)として働く笹子友範さん(39)が人事に寄せた相談だ。第1子の誕生で1カ月の育休を取りたいと考えていたが、ちょうど薬の発売など市場に動きがあるタイミング。顧客に迷惑をかけたくないと悩んだ笹子さんは「育休中でも、緊急案件があるときだけ勤務できないか」と人事部に掛け合った。当時、同社の男性の育休取得率は1割未満。「必要に応じ就業を認めることで男性も育休を取得しやすくなるなら」と人事は試験運用を決めた。

 必要な範囲で得意先訪問をしながら育休を取った笹子さんの事例を、人事は社内に積極的に発信。制度の周知を強化した。すると育休を取る男性はじわじわ増え、16年の育休取得率は23.4%になった。育休中の勤務は10月から正式に制度化。「多様なメニューを提供することで、自分らしく時間を活用できる働き方、休み方を社員に選んでほしい」と人事グループの松岡裕一郎マネージャーは話す。

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