貯蓄下手はレシートためて お金がたまる効果絶大ワザ
「お金の『使いベタ』を脱却できれば、自然にたまる女子になります」とFP(ファイナンシャルプランナー)の八ツ井慶子さん。人生の幸せ度まで上がる〇×チェックのレシートワークにぜひ、トライしてみてください。
自分のお金の「使いグセ」がレシートで分かる
ムダ遣いしているつもりはないのにお金が増えない。ためられているのにお金の不安が付きまとう――。「どちらもお金の『使いベタ』が大きな原因。支出の『質』が悪ければ、上手にお金をためられません」とは、FPの八ツ井慶子さん。使い上手を目指すには、自分の「使いグセ」を知り、後悔しない買い物の頻度を増やすことだ。そのために有効なのがレシートワーク。「〇×を付けてお金の使い方を振り返ることで、支出傾向が分かります」
1度で効果は絶大! まずは1カ月間レシートをためることからスタートしよう。
【Let's TRY! レシートワーク】
1.1カ月分のレシートを集める
自分のお金の使い方を知るために、1カ月分のレシートを集めていく。1日の終わりに財布の中からその日使ったレシートを取り出し、決まった場所に保管。交通費や自動販売機の飲み物、飲み会でのワリカン分など、レシートの出ない出費はメモに記して保管場所へ入れる。
2.「食費」「食費以外のトップ3費目」「その他」の3つにレシートを分類する
1カ月分のレシートを取り出し、(1)「食費」、(2)~(4)食費以外で出費の多いトップ3(「服飾費」や「外食費」「美容費」など)、(5)「その他」に仕分ける。1枚のレシートに複数の費目がある場合は、金額の大きな費目に分類して。「費目分けは厳密にする必要はなし。自分の感覚で構いません」
3.「必要」&「ときめき買い」かどうかで○×を付ける
レシートの一つひとつの項目を判定。生活に必要なモノや、なりたい自分に近づけた=ときめき買いしたモノは〇。なくても困らなかったモノ、後悔している買い物には×を。下の図も参考にジャッジしよう。「本当に必要? ときめきは持続しそう? 代用はきかない? と自問自答する習慣を」
4.レシートに「×」「○」が付いた項目の金額をそれぞれ集計する
全レシートの「×」「〇」それぞれの合計額を出す。「×の合計額=無駄遣い。本来はためられるはずだったお金です。金額が大きいとショックを受けますが、ここでは無駄遣いを『見える化』することが目的。自分を責める必要はまったくありません」
5.「×」が付いた項目にコメントを書く
レシートで「×」を付けた項目について、その理由を書いていく。「レシートチェックの最大の目的は、自分のお金の『使いグセ』を知り、無駄遣いをなくすこと。そのためには『なぜ買ったのか』と自問することが大事。それにより、自分の無駄遣いの傾向やパターンが見えてくるはずです」
×は大きく2つに分類される。「不要なモノを気分で買ってしまった」か、「必要だと思って買ったが、実際には不要なモノだった」か。そうなった原因も書こう。
[書き方例] 「以前から狙っていた化粧品をネットで安く購入できたが、届いてみたら色が想像と違い、お蔵入り。今後は、事前にお店で色を確認してから買おう」
6.1カ月間の振り返りをする
1カ月間のお金の使い方を振り返り、紙やノートにまとめておこう。×の理由や1カ月間の支出の反省などを書き出し、買い物傾向を自己分析。「特に支出の反省日記は大事。『いつ』『どんな状況で』『なぜ』それを買ったかが分かれば、対策も立てやすくなります」
[書き方例] 疲れているときや急いでいるときほど、コンビニでの買い物が多い。思考力が鈍っているせいか、余計なものを買う傾向が。残業の帰りはコンビニの前を通らないようにしよう!
(ライター 西尾英子)
ファイナンシャルプランナー。生活マネー相談室代表。著書は『レシート○×チェックでズボラなあなたのお金が貯まり出す』(プレジデント社)など。誰でも参加できる「生活マネー塾」も主宰している。詳しくはhttp://www.556312.com/
[日経ウーマン 2017年11月号の記事を再構成]
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