渡辺氏は「MBAは無理でも、会計や経理分野、保険関連のリスクマネジメント分野の資格保持者は転職には明らかに有利だ」と話す。

欲しいのは組織をカイゼンできるリーダー

リクルートエグゼクティブエージェントのエグゼクティブコンサルタントを務める渡辺博一氏

もっとも、ただの資格マニアに転職先のニーズはない。人工知能(AI)やIT(情報技術)分野の技術が目覚ましい進歩を遂げており、企業が転職者に求めるのは知識の量などではなくなっているからだ。渡辺氏は「企業は組織を変革し、カイゼンできる管理部門のリーダーを求めている」という。

オーナー経営者が率いてきた中堅・中小企業には、幹部となる有能な人材に恵まれないケースも多い。経営者の知恵袋になって組織を回す、CFO(最高財務責任者)的な存在が不可欠だ。渡辺氏は「大手銀出身者はもともと地頭のいい人が多い。経理・財務の基礎知識があり、やる気があれば、いい転職先を見つけられる可能性は高まる」と話す。

しかし、スキルや資格だけでは優れたリーダーになれない。渡辺氏は、リーダーとしての力を身につける「荒ワザ」があるという。「手を挙げて、海外とか、とにかく厳しい環境に飛び込むことです。困難にぶつかり、克服しなければ、本物のリーダーにはなれませんから」という。

銀行ではMBA候補などは、一流大学出身者の中から20代のうちに選別されるケースが大半だ。30~40代になって、一念発起してリーダー人材になりたいと考えるなら、経営難の企業に出向するとか、海外法人にいくなどあえて厳しい選択をした方がいいという。

次のページ
転職先の選択、まずは相性 年収は最後