例えば、私は電車通学だったので、有名な他校の生徒が、二宮金次郎のように電車の中で立ったまま勉強している姿をよく見かけましたが、そういう光景を見ても、自分も勉強しようとか勉強しなくてはという考えは起きませんでした。

「友達といる時は楽しく騒いで、勉強するそぶりを見せない。駒東とスタンフォードはそっくり」と振り返る

別に電車の中で勉強してはいけないという校則やルールが駒東にあるわけではありませんが、人前で勉強する姿を見せないのが駒東生の美意識です。学校でも、みんな、クラスメートの前では勉強するそぶりを絶対に見せません。それどころか、普段からいかに自分が勉強していないかを自慢し合う空気すらありました。

ですから、テストの直前になっても、人前で勉強したり、勉強するために遊びの誘いを断って家に帰ったりするようなことはしません。その代わり、遊んで家に帰ったら、夜中すぎまで必死で勉強し、翌日何事もなかったかのように登校して、テストできっちりといい点数をとる。やせ我慢大会みたいですが、そんな駒東の校風が私は大好きでした。

米スタンフォード大学にそっくりだった。

話は飛びますが、東京大学時代に米スタンフォード大学に短期留学したことがあります。留学中に驚いたのは、スタンフォードの校風や学生の雰囲気が駒東とそっくりだったことでした。

スタンフォードの学生は、夕方に授業が終わると、毎晩のように友達とつるんでどこかのバーに出掛け、夜中まで酒を飲みながら騒いでいました。パーティーも多い。でもみんな、うたげがお開きになると寮に戻り、授業の予習や復習にとりかかる。そして翌日、ちゃんと学校に行く。その体力にも驚きましたが、友達といる時は楽しく騒いで、勉強するそぶりを見せないところは、駒東生そっくりだと思いました。西海岸の温暖な気候のせいか、自由で開放的な雰囲気もありました。

同じ米国の大学でも、東海岸の大学は全然雰囲気が違います。私は東部マサチューセッツ州にあるバブソン大学の起業家養成プログラムにも参加したことがありますが、バブソン大学の学生は、授業以外の時間はずっと図書館や寮の部屋にこもって勉強しているという印象でした。

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