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未知の競技に賭ける 五輪の選手候補、中高生が名乗り 国の発掘事業、自転車やボートなど競技別に適性見極め

2017/12/6 日本経済新聞 夕刊

ジャパン・ライジング・スター・プロジェクトの最終選考で自転車をこぐ参加者(11月3日、東京都世田谷区)

 スポーツ庁などが中心となって、2020年東京五輪・パラリンピックやそれ以降に活躍が期待される選手を育成する「タレント発掘事業」が進行中だ。運動能力に自信がある全国の中高生らが17年夏以降、各地の測定会に参加。競技団体の目に留まった「金の卵」がこのほど最終選考に挑んだ。少子化や財政難で選手確保に腐心するマイナー競技団体には貴重な機会となった。

 「始めて5年で五輪に出た選手もいます。ぜひ頑張って」。11月3日に東京都内で行われた「ジャパン・ライジング・スター・プロジェクト」の最終選考。日本自転車競技連盟の担当者は参加者にこう語りかけ、自転車を10分こぐ間の平均出力の測定を実施した。

 集まったのは学校での体力テストで良い結果を出し、その後の測定会で自転車向きと評価された中高生9人。大半は未経験者だ。バスケットボール部に所属する盛岡市の中2男子(14)は「瞬発力に自信がある。五輪に出るチャンスがあるなら頑張りたい」と話した。

 五輪競技では自転車のほかにも飛び込み、ボート、重量挙げ、ハンドボール、女子7人制ラグビー、ソフトボールで中高生を公募し、約50人が最終選考に進んだ。ボッチャなどパラリンピックの5競技では約30人が最終選考に残った。各競技団体はミニゲームなどで適性を見極め、本人や保護者との面談も実施。このほど約60人の合格者が発表され、競技別の拠点県に定期的に集まって専門性を高めていく計画だ。

 スポーツ庁や日本体育協会が乗りだした初の事業。10年以上の実績がある福岡県などの自治体や競技団体の個別の取り組みが先行してきたが、女子7人制ラグビー日本代表の稲田仁ヘッドコーチは「国の事業として全校に通知されたことで、これまでアプローチができなかった生徒が参加してくれた」と評価する。

 一方、課題もある。申込時期が夏の部活動の大会と重なり、参加をためらった生徒が一定数いたとみられる。スポーツ庁や日体協が「高い運動能力を持ち、他競技でも活躍できる選手がたくさんいる」と見込んだ野球部からの参加者も少なかった。来年度以降も実施する予定で、同庁の鈴木大地長官は「実施時期や告知方法などは見直したい」と話している。

(鱸正人)

[日本経済新聞夕刊2017年11月16日付]

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