生ハムとローストビーフ 食塩が多いのはどっち?
この記事では、今知っておきたい健康や医療の知識をQ&A形式で紹介します。ぜひ、今日からのセルフケアにお役立てください。
(1)生ハム30g(長期熟成タイプ2枚)
(2)ローストビーフ30g(3枚、食塩相当量0.4g)
(3)鴨スモーク40g(5枚、食塩相当量0.7g)
正解は、(1)生ハム30g(長期熟成タイプ2枚) です。
酒のつまみは食塩が多い
健康な人の1日の食塩摂取の目標値は、18歳以上の男性は8g未満(女性は7g未満)で、高血圧の人の場合6g以下となります。しかし、実際に摂取している食塩量は、男性10.9g、女性9.2gとオーバー気味です(平成26年国民健康・栄養調査より)。
女子栄養大学栄養生理学研究室教授の上西一弘さんは、外食で食塩を1日8g未満に抑えるのは難しい、と指摘します。しかも酒のつまみは食塩を多く含むものばかり。宴会が続く季節にもなると、食塩のとり過ぎには気をつけなければなりません。そのためには、食塩を多く含むメニューを知り、それらを避けるか、食べ過ぎないようにする必要があります。
主な酒のつまみの食塩量について見ていきましょう。
肉の加工品は熟成期間が長いものほど食塩が多い傾向があり、ソーセージ、ベーコンなども食塩が多いことを覚えておきましょう。ローストビーフ(30g〔3枚、食塩相当量0.4g〕)やスモーク類(例えば鴨スモーク40g〔5枚、食塩相当量0.7g〕)は比較的食塩が少ないです。
たらこ、いくら、すじこ、キャビアなどの魚卵の加工品は食塩を多く含みます。食塩だけでなく、コレステロールやプリン体も多いのでとり過ぎに注意しましょう。
塩辛は代表的なつまみですが、食塩が極めて多いのです。酒盗(様々な魚類でつくった塩辛)、このわた(ナマコの腸の塩辛)、めふん(サケの腎臓の塩辛)、うるか(アユの塩辛)など、好きな人にはたまらないかもしれませんが、いずれも注意が必要です。
カリウムでとり過ぎたナトリウムを排せつ
宴会などでは、自分の思い通りにはメニューを決められないことも多く、不本意ながら食塩をとり過ぎてしまうこともあるでしょう。そんなときはカリウムをしっかりとるようにしましょう。
カリウムは野菜、芋、果物などに含まれていて、余分なナトリウムを排せつする働きがあります。手軽にとるには、トマトジュースを飲んだり、バナナやキウイフルーツなどを食べるといいでしょう。
食塩のとり過ぎに注意して、宴会シーズンを乗り切りましょう。
(イラスト Akiko Takagi)
※食品、料理の食塩相当量は『第3版塩分早わかり』『家庭のおかずのカロリーブック』(いずれも女子栄養大学出版部)、『日本食品成分表2015年版(七訂)』を参考にしています。
[日経Gooday 2017年10月30日付記事を再構成]
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