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食を旅する

ご当地ちゃんぽん、透明スープやあんかけも 地域映す

2017/11/21

 全国各地のご当地ちゃんぽんを一堂に集め、その違いを味わいながら各地域の活性化を目指すイベント「ワールドちゃんぽんクラシック」が、11月11、12日の週末、福岡県久留米市の久留米シティプラザ六角堂広場で開催された。

 ちゃんぽんというと、多くの人が「長崎」を思い浮かべるだろう。明治時代に長崎で誕生したと言われるちゃんぽんは、その人気とともに、やがて九州各地に広がっていく。各地に根付いた「ご当地ちゃんぽん」は、現地のくらしや食材事情から、長崎のときとは様々に姿を変え、ローカライズされた独自のちゃんぽんに変身していくのだ。

 長崎でちゃんぽんのおいしさを知った人たちは、その味を地元で再現すべく、様々に試行錯誤を繰り返した。地域によっては手に入れにくい食材もあり、それは手近なものに置き換えていく。もちろん単なる「長崎ちゃんぽんもどき」では現地で受け入れられるはずもない。地元の人々の舌に合わせ、独自の工夫が施される。そうした課程で「ローカライズ」が起こるのだ。

盛りの良さで全国的に知られる武雄市の井手ちゃんぽん

 たとえば、佐賀県の武雄市。長崎の隣県、佐賀県の炭鉱町に伝わったちゃんぽんは、海から離れた内陸のため、具からエビなどの魚介が姿を消す。その代わりになるのは豊富な野菜だ。さらに、炭鉱で働く人たちの旺盛な食欲と結びつく。その結果、野菜山盛りの、びっくりするような大盛りちゃんぽんが誕生した。

 同様に工業都市の福岡県北九州市戸畑区に伝わると、また違った「ローカライズ」が起こる。戸畑を代表する産業は製鉄。旧八幡製鐵所戸畑工場の限られた昼休み時間に、多くの客が店へと殺到したため、ちゃんぽん特有の太い麺は、ゆであがりを早くするために細くなり、さらにゆで時間を短くしようと事前に加熱された蒸し麺が導入される。茶色い細麺のちゃんぽんの誕生だ。

麺が茶色い戸畑ちゃんぽん しかもちゃんぽんなのに「替え玉」もある

 ちゃんぽんは九州を飛び出し、四国にまで伝わっている。海運を通じて長崎とつながりのあった愛媛県八幡浜市のちゃんぽんは、ちゃんぽん特有の白濁スープではなく、鶏ガラ、カツオ、昆布などでだしを取った黄金色のスープだ。あっさり風味になり、麺も中華麺になる。

 さらに本州では、ちゃんぽんはあんかけ麺になる。兵庫県の尼崎市や鳥取市、長崎との関係は不明だが、秋田市にもちゃんぽんがあり、いずれもあんかけ麺だ。

 そう、同じちゃんぽんという名前のメニューでありながら、地域によって様々に形を変えた料理が全国に存在するのだ。

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