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学生200人に求人が殺到 秋田・国際教養大はなぜ人気 国際教養大学の鈴木典比古学長

2017/11/19

国際教養大学の図書館(同大学提供)

 18歳人口の減少にともない、日本の大学経営が岐路に立たされている。多くの大学が苦しむなか、本格的な「リベラルアーツ」をかかげ、優秀な学生を集めて話題になった国際教養大。開校から10年以上がたった今、同大学には、たった200人前後の学生をもとめて年間180社もの企業がおとずれる。“顧客”が減少する「レッドオーシャン」の市場で、地方の新興公立大学がなぜ競争を優位に進められるのか。鈴木典比古学長に話を聞いた。

■秋田空港から5分、森のなかの学校

 東京から飛行機で1時間強、秋田空港から5分ほどの森のなかにある国際教養大。周囲には住宅もまばらで、近隣にはスーパーやコンビニもない。入学定員は175人。こんなにも不便な大学にもかかわらず、出願倍率は10倍をこえる。北海道から沖縄まで全国から受験生が集まるが、もっとも多いのは関東出身者だ。

 鈴木学長は、「この大学は東京や大阪の大都市だったら、うまくいかなかっただろう」と話す。教員1人に学生14人の徹底した少人数制、授業はすべて英語、1年間の留学が必須になっている。学部は「国際教養」1学部のみだ。都会から離れた自然のなかで、「徹底したリベラルアーツ(教養)教育」をつらぬく。独特な環境だ。

 「ビジネスでいえば、ニッチです」。国際基督教大学(ICU)の元学長で、マーケティングの研究者でもある鈴木学長は、同校をそう評する。しかし、このニッチ戦略は10年がたち、経営に悩む大学業界に、大きなうねりをおこした。

■早稲田や上智、千葉大にも「国際教養学部」

 この10年の間、早稲田大や上智大の国際教養学部など、リベラルアーツを前提におき、留学をおしすすめる学部を設置した大学は30校以上にのぼった。この潮流は今、国立大にも押し寄せている。2016年度に千葉大が国際教養学部を設置した。九州大学も国際教養をテーマにした新学部の設置を予定しているという。

 このうねりは、日本独自のものではない。ICU出身で、米ハーバード・ビジネス・スクールの竹内弘高教授は、8日開かれた世界経営者会議で「人工知能(AI)であっても、0から1を生み出すイノベーションは人間なしにあり得ない。そうした人材を育てるには、大学などで土台となるリベラルアーツ(教養)教育を大事にすべきだ」と、変化の激しいこれからの時代に必要な人材教育と強調した。

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