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「婚活」に疲れる若者たち デートのハウツー講習も ブーム10年、婚活サービス頼みも強まる

2017/11/17

婚活パーティーに集う若者たち(東京・赤坂のブライダル会場)
日経ヴェリタス

 独身者にとって30歳は「結婚を意識する」節目の年と言われる。厚生労働省の人口動態統計によると、日本の初婚年齢の平均は男性が31.1歳で、女性は29.4歳だ。

 記者は28歳。私の周りでも結婚式をあげる友人が増えてきた。「相手がいない」と焦る人もいる。ミレニアル世代にとって結婚は、ときにプレッシャーにもなる。若者を狙った婚活サービスも活況だ。

 私はゲイであることを社内でオープンにしている。だから「婚活」にエネルギーを注ぎ込む同世代をみると、不思議に思うことがある。「結婚しないといけない」との強迫観念に駆られたところで、人生のパートナーがうまく見つかるものだろうか、と。もやもやした思いを抱きながら、ミレニアル世代が集う「婚活」の現場に潜入してみた。

■会場入り口で社会的地位をチェック

 土曜日の午後7時。東京・赤坂のブライダル施設は、約200人の若者でいっぱいだった。この日は20代対象の婚活パーティーが開かれ、男性と女性がそれぞれ100人ずつ集まった。パーティー名は「恋のホワイトカラー」。会費は男性5500円、女性2500円で、男性は「社会的な地位を確立しているハイステイタス」な職種に限定される。

 具体的には、(1)医師、(2)資本金1000万円以上もしくは年間売上高1億円以上の経営者、(3)弁護士などの「7士業」、(4)公務員、(5)外資系社員、(6)上場企業の社員、(7)非上場の大手企業の社員、となる。会場の入り口では資格免許や社員証などの提示を求め、職歴に偽りがないかチェックされる。

 教会風のステンドグラスにシャンデリア――。会場に足を踏み入れると、いやでも「結婚式」を意識する。記者は200人の若者たちの中に入っていった。

 パーティーが始まってすぐ、女性2人組に話を聞いた。2人とも薬剤師で、記者と同じ1989(平成元)年生まれだ。周囲が結婚し始めて焦りを感じているという。記者は2人に「結婚しないとダメですか」と尋ねてみた。

 「ダメとかそういうんじゃないけど、友達や親が『婚活、婚活』ってせかすから……」
 「どんな人がいいですか」
 「フィーリングの合う人がいい」
 「年収はどれくらいが好み?」
 「うーん、700万円くらい?」

 結婚相手に求めるのは収入か、それ以外か。結婚とお金をめぐる興味深い調査がある。明治安田生活福祉研究所が25~34歳のいわゆる「アラサー」女性に、自分が望む年収を下回る男性でも結婚するかどうかを尋ねた。結婚相手に800万円以上を求める女性は、34.9%が「いくら相手が魅力的でも年収が低ければ結婚しない」と回答。800万円未満の層では総じて15%前後にとどまるのとは対照的だ。男性に高い年収を求める女性ほど、年収で結婚相手を選別する傾向が強いようだ。

 パーティーが始まってから1時間が経過すると、女性が一度に15人ほど会場から出て行った。記者はそのうちの1人に話しかけた。

 「パーティーはまだ30分ありますよ」
 「飽きたから帰るんです。だって男子が少ないでしょう? 女子ばかりで何か疲れた」

 この感想は少し変だ。会場の男女比は1:1に設定されており、男性が少ないはずはない。女性が錯覚を抱いてしまう本当の理由は何なのだろう……。

■昔はもっとチャラかった?

 この婚活パーティーを運営する会社の代表取締役を務める林圭一氏(51)は、20年以上前から出会いのパーティーを主催してきた。

 「10年ほど前までは、『ねるとんパーティー』みたいな会を開いていたんです」

 28歳の記者は「ねるとんパーティー」が初耳だった。お笑いコンビ「とんねるず」のバラエティー番組「ねるとん紅鯨団」(フジテレビ系、87~94年)の人気コーナーという。ねるとんパーティーは毎回、「スポーツマン」「車好き」「地方在住者」といったテーマで若者の男女を募る。とんねるずの2人が若者をちゃかしながら、1対1の出会いを成立させる内容だ。

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