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月80万円の散財家計 逆転の発想で老後資金づくり ゴールから逆算する家計改善メソッド(1)

2017/12/7

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 目指すは収支盤石な「安泰家計」、しかし現実は日々のやりくりに四苦八苦――。そんな「お困り家計」でも、プロから見れば打つ手はある。新連載「ゴールから逆算する家計改善メソッド」では、実際にあった家計相談を基に、金融ITに強いMILIZEがシミュレーションを用いて改善に必要な金額を逆算。ファイナンシャルプランナー(FP)の前田晃介氏が具体的な改善策を提案する。第1回は、世帯年収1300万円という高所得ながら、ほとんど貯蓄ができない家計の「処方箋」を見ていこう。

◇  ◇  ◇

 「目の前にお金があったら、あるだけ使ってしまう『病』なんですよね」。笑いながらそう話すAさんを前に、私(FPの前田晃介)は苦笑するしかありませんでした。

 「老後の生活が大丈夫かどうか知りたい」と家計相談に訪れたAさん夫妻は、共働きで子供のいないDINKSです。夫のAさん(32歳)の年収は約800万円、妻のBさん(42歳)の年収は約500万円で、世帯年収は1300万円。月にならせば手取りで85万円もの収入を得ています。しかし、結婚8年目にして貯蓄はわずか360万円ほど。これだけ稼いでいるのにもかかわらず、ほとんど貯蓄できていない理由を聞いてみたところ、冒頭の「お金を使ってしまう病」という驚きの答えが返ってきたのです。

■「稼いでいるのだから大丈夫だろう」

 現状を把握するために家計状況を聞いてみると、「実はいくら使ってるかはっきりわからないんですよね……」とAさん。聞いてみると、多忙なため食事はほぼ外食で、仕事がてら夜の飲み会も多いとのこと。本来なら会社に申請すべき経費も、面倒だからと放置しているものが多々あるようでした。妻のBさんも普段は外食中心で、自炊はほとんどしていないとのことです。さらに、夫婦ともに旅行好きで、最低でも年に1回は海外に行くほか、普段から服やブランドバッグを気軽に買っているなど、消費の多い家計であることがわかりました。

 家計簿は(ある意味当然ですが)つけておらず、夫婦が互いのお金の使い道を知らない「別財布」。しかも、銀行口座が計20口座、クレジットカードは10枚も契約しており、「いまどの口座にいくら入ってるかもよくわからない」と言います。「勧められるままに銀行口座やカードを作ってきたら、管理できなくなってしまったんですよね」とAさん。

 「稼いでいるんだから、借金しなければ大丈夫だろう」――という考え方で過ごしてきたAさん夫妻。国税庁の「民間給与実態統計調査」(2016年)によれば、Aさんと同じ30代前半の平均給与は403万4000円、妻のBさんと同じ40代前半では459万9000円ですから、同じような家庭の世帯収入は863万3000円となります。Aさん夫妻はその1.5倍ですから、収入が多いというのは間違いありません。

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