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下町ボブスレーの次は「車いす」 町工場、パラに挑戦 バスケットボール用、強く軽く操作しやすく

2017/11/28 日本経済新聞 朝刊

車いすバスケの車いすには強さ、軽さと操作のしやすさが求められる(16年9月の日本代表戦)

東京都大田区が地元の中小製造業と組み、障害者スポーツで使うバスケットボール用車いすの開発に乗り出した。競技用車いすの大手メーカーとも連携し、軽量で操作しやすい新型を製造。2020年の東京パラリンピックでの採用を目指す。区内の町工場が中心となって競技用そりを開発する「下町ボブスレー」に続くプロジェクトとして、区内製造業の技術力を世界に発信する。

車いすバスケの魅力を発信するための実演イベントも開いた(10月下旬、東京都大田区)

開発には昭和製作所やマテリアルなど大田区内の10社が参加する。金属・プラスチック部品加工やゴム製品を手掛けるメーカーが多い。バスケ用車いすを日本代表選手に供給している松永製作所(岐阜県養老町)が協力。区や区産業振興協会がプロジェクトを管理する。区は開発経費として17年度予算に2500万円を計上した。

車いすは強度を保ちながら、軽量化や操作性の向上に取り組む必要がある。各選手の体格やプレースタイルに合わせた調整がしやすい設計も求められる。参加企業は各分野で培った技術やノウハウを持ち寄り、開発に生かす。

試作1号機は18年1月には完成する見通しで、全国大会で活躍する東京都内の車いすバスケチーム「NO EXCUSE」に提供。試合や練習で使ってもらいながら改良を重ねる。同年3月末までに10台を製作し、有力選手に採用を働きかける。

区は17年6月ごろから参加企業を募集。10月下旬には元日本代表選手を招き、競技の魅力や開発プロジェクトを発信するイベントを開いた。

参加企業の一社であるシナノ産業の柳沢久仁夫社長は「軽量化では当社のプラスチック加工技術が生かせるかもしれない」と語る。元日本代表選手で松永製作所のブランドマネジャーとしてプロジェクトに関わる神保康広氏も「車いすメーカーの固定観念を打ち破るアイデアを期待したい」と話す。

区はプロジェクトを通じ、地元企業の技術力向上や新規事業の開拓にもつなげる考えだ。介護福祉用品などへの応用も視野に入れている。

区内の製造業を中心とする下町ボブスレー開発プロジェクトでは、18年の平昌冬季五輪を目指すジャマイカチーム向けの競技用そりの微調整が最終段階を迎えている。バスケ用車いすの開発と重なる企業も多い。ものづくりとスポーツを融合したプロジェクトにより、区や参加企業は技術力や知名度の向上を目指す。

[日本経済新聞朝刊2017年11月14日付を再構成]

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