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もうかる家計のつくり方

老後資金3000万円でも70歳で破綻 50代夫婦の誤算 家計再生コンサルタント 横山光昭

2017/11/15

PIXTA

 専業主婦のKさん(53)がショックを受けた様子で相談に来ました。老後も含めたライフプラン表を自分で作ってみたものの、大企業に勤める夫(54)が70歳になった時点で貯蓄が底をつくことが分かったそうです。これまで2人の子どもの教育費を払いながら約800万円を貯蓄しました。夫の退職金も約2200万円もらえる予定なので、老後資金は3000万円ほどが見込まれています。それなのになぜ老後破綻してしまうのでしょう?

 Kさんは2人の子どもがすでに独立していることもあり「老後の生活は悠々自適だろう」と思っていました。夫の定年退職後、公的年金がもらえる65歳になるまでの5年間は蓄えで暮らすとしても、年金が受給できるようになれば、また安定した生活に戻れると考えていたのです。「夫と老後を楽しもう」との思いで作成したライフプラン表ですが、「計算の仕方が間違っているのか」とKさんは不安でなりません。

■夫の収入増につられ、支出も増加

 Kさんの夫の収入は手取りで月約46万円、夫婦の支出は月約43万円です。収支は赤字ではありません。ただ貯蓄が800万円あるとはいえ、収入の割には貯蓄できていません。夫のボーナスも夏冬それぞれ手取りで約90万円支給されるそうですが、気が付いたらほとんど残っていないそうです。子どもたちが学校に通っている間は「節約し、何とか貯蓄しなくては」と家計をやりくりしていましたが、子どもたちが働き始めて手がかからなくなったころ、夫の収入がぐんぐん上がり始め、それにつられるかのように支出も多くなっていきました。このため、ここ数年は貯蓄を増やせませんでした。

 この膨らんでしまった支出を減らしていかないと、老後の生活は早々に破綻します。今の月43万円の支出だと、夫が無年金の60~65歳までの5年間は年間516万円の生活費が必要です。65歳以降は、夫の公的年金の受給額は概算で月額約22万円。妻の分の約6万円を加えても約28万円にしかなりません。月々約7万円の住宅ローンの返済は夫が65歳のときに終わるので、単純に考えると月の支出は43万円から7万円を差し引いた約36万円になりますが、公的年金は夫婦合わせて月約28万円なので、毎月約8万円を蓄えから補填することが必要です。1年間だと約96万円にもなります。そのほか、生活費以外でお金がかかることもあるでしょう。

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