年金・老後

定年楽園への扉

老後孤独にならない SNSを楽しく上手に活用するには 経済コラムニスト 大江英樹

2017/11/30

PIXTA

最近は交流サイト(SNS)を利用する人が非常に増えてきました。私もフェイスブックやインスタグラムを活用している一人です。SNSの中でもLINEなどは若い人たちがよく使う一方、フェイスブックは中高年にも人気があるようです。フェイスブックに限らずSNSはリタイアしたシニア層にとって、いろんな意味で効用があると思います。

■SNSは「新たな居場所」を提供

何といっても最大のメリットは、リタイア後に自分の居場所をなくしてしまった人たちに対して「新たな居場所」を提供できることです。特にフェイスブックの場合は匿名ではなく実名で、かつプロフィルや属性が明らかな人が多いため、「つながる」かどうかを判断しやすい仕組みになっています。

トラブルを招きかねないので、SNSでは不用意に個人情報を公開することは避けるべきですが、そうした点に気をつけさえすれば、非常に有用なメディアといえるでしょう。SNSではグループがあったり、オフ会が開かれたりと、新たな交流の場がいろいろあります。定年後の不安はお金の問題と並んで、孤独であるということも踏まえると、SNSを活用するメリットは大きいと思います。

SNSではまた、交流を通じて多様な知見や考え方と接することができます。SNSに参加している人は居住地域も職業も年齢も多種多様です。メッセージを投稿すれば、専門家から意見が寄せられることもしばしばあります。自分の知らなかった知識を得られた場合は、とても勉強になります。

現役時代には仕事を通じて様々な人とのつながりはあるものの、退職後は人と接する機会はかなり少なくなります。人に会わなければ有益な情報はなかなか入ってきませんし、考え方も自分流に凝り固まってしまうことになりかねません。SNSでの交流を通じて、そうならないよう防ぐことができます。

一方で、SNSのメリットはそのままデメリットに転じてしまう恐れもあります。多くのシニア層はそれなりにキャリアを積んできた人たちですから、専門分野についてはそれぞれ一家言持っています。SNSの投稿などで自分が詳しいテーマを見つけると、ついひと言いいたくなります。

■稚拙な投稿でも感情的にならず

特に投稿の中身があまりにも稚拙なものだと、専門家はつい「上から目線」になりがちです。私もそんな人に指摘を受けることがあります。ややもすると双方が感情的になり、揚げ句の果てに罵り合うような事態に発展しないとも限りません。

これでは本末転倒です。人と楽しく交流するのが目的で始めたはずのSNSが台なしになります。仮に稚拙な投稿を見かけてもムキになってコメントするのではなく、いっそのことスルーしてしまいましょう。面倒なことにはあえて関わらなくていいというのが「自分メディア」であるSNSの利点でもあります。

私自身、退職後にSNSを通じて多くの知己を得ることができました。自分の仕事につながったケースもたくさんあります。最近ではフェイスブックで小学校時代の友人と再び交流を始めました。今の時代ならではのSNSはシニアにとっても生活を豊かにするツールとなります。感情的にならず、SNSを上手に使ってみてください。

「定年楽園への扉」は隔週木曜更新です。次回は12月14日付の予定です。
大江英樹
野村証券で確定拠出年金加入者40万人以上の投資教育に携わる。退職後の2012年にオフィス・リベルタスを設立。著書に「定年男子 定年女子 45歳から始める『金持ち老後』入門!」(共著、日経BP)など。http://www.officelibertas.co.jp/

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