外国人女性記者を魅了 日本のウイスキーの海外評価インバウンドサイト発 日本発見旅

日本ではハイボールや水割りで飲むことが多いですが、彼女の飲み方はいつもストレート。チェイサーのお水を入れるとしたら1滴か2滴。それだけで味が変わるので、1滴から始めて飲みながら調整していきます。これもバーテンダーさんに教わった飲み方だそうです。「バーテンダーさんと話をすると、とても勉強になります。おすし屋と同じじゃないですか? 質問したいことをすぐ聞けるから、私はテーブルよりカウンター席を選びます。話ができると知識も増えてうれしいですね」。ウイスキーでもカクテルでもワインでも、専門のお店に行って、プロに聞いてみるのが一番いいと話していました。

「世界5大ウイスキー」の一つになった日本のウイスキー

日本のウイスキーの評価が高まったきっかけは、英「ウイスキーマガジン」誌が2001年に行ったコンテストで、ニッカウヰスキーの「シングルカスク余市10年」が1位、サントリーの「響21年」が2位を獲得したことでした。その後、日本のウイスキーは海外の賞を受賞し続け、現在では、世界5大ウイスキー(スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)の一つに数えられるほどの評価を獲得しています。

日本国内では、NHKの朝の連続テレビ小説「マッサン」(14年9月~15年3月)によって新たなウイスキーブームが訪れたといわれます。「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏とその妻リタさんの生涯の物語。お二人が国際結婚だったこともあって、国際カップルが注目され、私にもコメントを求められる取材が増えました。竹鶴夫妻は1920年に結婚。今から100年近くも前のことで、国際結婚自体が珍しく、スコットランドから日本へ来られたリタさんがどれだけ苦労されたか想像に難くありません。私もこのドラマによって、ウイスキーの製造過程や日本で普及するまでの歴史を知ることができました。ジャパニーズウイスキー人気の高まりと相まってタイムリーなドラマであったと思います。

ニッカウヰスキーの余市蒸溜所にある、貯蔵庫2棟を改装したウイスキー博物館。「ウイスキー館」のエントランスではポットスチル(単式蒸留器)と「キング・オブ・ブレンダーズ」(シンボルマークの人物)が迎えてくれます。「ニッカ館」では竹鶴政孝&リタ夫妻の軌跡を写真や遺品などで展示。(写真:japan-guide.com)
余市蒸溜所の蒸溜棟にはポットスチルが並んでいます。上部に張られたしめ縄は、竹鶴氏の実家が造り酒屋を営んでいたので、その風習を取り入れて「良いウイスキーができますように」としめているのだそうです(公式サイトより)。(写真:japan-guide.com)

そして今、世界の愛好家が熱い視線を注いでいるのが、埼玉県秩父市生まれのウイスキーです。従業員十数人という株式会社ベンチャーウイスキーの秩父蒸溜所で製造された「イチローズモルト 秩父ウイスキー祭2017」が、世界的なウイスキー品評会「ワールド・ウイスキー・アワード」の「シングルカスクシングルモルト部門」で17年の世界最高賞受賞という快挙。ジャパニーズウイスキーはますます世界の注目を集めそうですね。

*シングルカスク:一つのたるでつくったウイスキーをそのまま瓶詰めしたもの(他のたるでつくったウイスキーとブレンドしていない)。

*シングルモルト:一つの蒸留所でつくられたモルトウイスキー(大麦麦芽100%でつくったウイスキー)だけを瓶詰めしたもの(他の種類のウイスキーや他の蒸留所のウイスキーとブレンドしていない)。

シャウエッカー光代
ジャパンガイド取締役。群馬県生まれ。海外旅行情報誌の編集者を経て、フリーの旅行ライターとなり、取材などで訪れた国は約30カ国。1994年バンクーバーに留学。クラスメートとしてスイス人のステファン・シャウエッカーと出会い、98年に結婚。2003年、2人で日本に移住。夫の個人事業だった、日本を紹介する英語のウェブサイト「japan-guide.com」を07年にジャパンガイド株式会社として法人化。All About国際結婚ガイド、夫の著書「外国人が選んだ日本百景」(講談社+α新書)「外国人だけが知っている美しい日本」(大和書房)などの編集にも協力。