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トライアスロンの突然死 背景に隠れた循環器疾患も

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日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

「トライアスロンに初めて挑戦するとき、特に中高年男性は、隠れた循環器疾患があると初回のレースで死亡する可能性がある」――。そんな気になる研究結果が米国の医学雑誌「Annals of Internal Medicine」の電子版に発表されました。

米国では死亡・心停止が30年間で135人

トライアスロンは米国で1970年代に始まり、その後世界中に広まりました。米トライアスロン連盟によると、2015年に米国内で行われたレースには46万人を超える参加者がありました。日本の競技人口も右肩上がりに増加しており、トライアスロンを趣味にする経営者の話題もたびたび紹介されています。

しかし、トライアスロン中、またはレース終了後の死亡事例はなくならず、アスリートの安全に関する懸念は続いていました。

そこで米Abbott Northwestern病院のKevin M. Harris氏らは、1985年から2016年までに米国で行われたトライアスロンのレース中・レース後に死亡した人、および心停止後に蘇生した人についての情報を集めました。死亡は、外傷性ではない突然死と、外傷に起因する死亡に分けました。

突然死、心停止からの蘇生、外傷関連の死亡は、計135人に発生していました。107人が突然死しており、13人は心停止後に蘇生し、15人は外傷により死亡していました。平均年齢は46.7歳(最低は15歳、最高は80歳)で、115人(85%)が男性でした。

死亡と心停止の多くは、スイム中に発生していました(135人中90人)。それ以外の22人はバイク(自転車)、15人はランの間に、8人はレース後のリカバリー時間に死亡または心停止を起こしていました。外傷によって死亡した15人は、全員がバイク走行中の衝突事故による外傷によって亡くなっていました。

レース経験についての情報があった68人のうち、26人(38%)は、初めてのレース参加でした。なお、死者のなかに、プロ選手やアマチュアのトップクラスの選手はいませんでした。

情報がそろっていた、2010~16年に行われたレースの参加者を対象に、年齢と性別別に、死亡または心停止の発生率を推定しました。年間10万人の男性がレースに参加したとすると、2.40人が死亡または心停止を経験し、女性ではその割合は0.74人と推定されました。男性の死亡または心停止は、年齢の上昇とともに増えており、年間10万人当たりの発生率は、30歳未満では2.22人、30代は2.64人、40代は6.08人、50代は9.61人、60歳以上は18.61人になりました。

一方で、ショート(スイムの距離が750m以下)、ミドル(751mから1マイル)、ロング(1マイル超)と、レースの距離が延びても、死亡または心停止のリスクに差は見られませんでした。

4割強に循環器の異常あり

検視官による解剖の結果が得られた61人の死者のうち、27人(44%)に、循環器の異常が認められました。18人にはアテローム性の冠動脈[注1]狭窄が、3人に肥大型心筋症が、1人に先天性冠動脈異常が、2人に僧帽弁(心臓の左心房と左心室の間にある弁)の粘液腫が見つかり、1人に不整脈原性右室心筋症、2人に大動脈などの血管の解離が認められました。循環器疾患以外の原因が明らかになったのは5人で、そこには熱中症が2人含まれていました。

心停止後に蘇生した13人のうち4人は、その後に冠動脈疾患に対する外科的治療を受け、1人は先天性の大動脈弁疾患に対する手術を受けました。

トライアスロン中の死亡と心停止は、中高年男性に多く発生しており、死後の解剖によって初めて、循環器疾患の存在が明らかになった死が少なくありませんでした。初回参加時の死亡が多かったことから、レース参加前に、隠れた循環器疾患があるかどうかを検査しておく必要性が高いと考えられます。また、スイム中の死亡が多かったことは、レース主催者が、より充実した救助システムを準備すれば、死亡を減らせる可能性を示しています。

論文は、2017年9月19日付のAnnals of Internal Medicine誌電子版に掲載されています[注2]

[注1] 冠動脈:心臓に血液を供給する動脈で、冠状動脈とも呼ばれる。この血管が狭くなると(冠動脈狭窄)、狭心症や心筋梗塞の原因となる。アテロームとは動脈の内膜にできるコレステロールなどの脂肪からなる粥腫(じゅくしゅ)のこと。次第に厚くなることで動脈の内腔が狭くなる。[注2] Harris KM, et al. Death and Cardiac Arrest in U.S. Triathlon Participants, 1985 to 2016: A Case Series. Ann Intern Med. 2017;167(8):529-535. DOI: 10.7326/M17-0847

大西淳子
 医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

[日経Gooday 2017年10月26日付記事を再構成]

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