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CEO直撃 ボルボは「クルマのスマホ化」を目指す

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NIKKEI STYLE

2016年に53万台を販売、世界販売で過去最高を記録したスウェーデンのボルボ・カー。高い安全性と北欧デザインで有名だが一時は低迷、リーマン・ショック後はフォードグループからも切り離された。しかし10年に中国ジーリー・ホールディングスが買収すると、見事に復活。日本にも昨年新世代ラージクラスの90シリーズ、今年ミディアムクラスの60シリーズが上陸するだけでなく、18年には新コンパクトの40シリーズも上陸予定。はたして成功の秘訣はなにか? イタリア・ミラノで行われた新型「XC40」発表会で、小沢コージがやり手の経営者、ホーカン・サムエルソン最高経営責任者(CEO)を直撃した。そこで出てきたのは、これまでと異なる感覚でクルマを所有できるというサブスクリプション・サービスだった。スマートフォン(スマホ)と同じようにクルマとつきあうことができるのか。

サブスクリプション・サービスを導入

小沢コージ(以下、小沢) 新型XC40の発表おめでとうございます。独自のファッション性と高い実用性の両立に驚きましたが、たしかに今までのBMWにもメルセデスにもない、新しい路線ですね。

ホーカン・サムエルソンCEO(以下、サムエルソン) 当社とっては間違いなく新分野を開拓するクルマになるはずです。初のコンパクトなプレミアムSUVですから。一方、業界全体の中でも新セグメントを創り出すクルマだと思っています。デザインはもちろん、全く新しいサブスクリプション・サービス『ケア・バイ・ボルボ』(詳しくは後述)に、音声認識機能やスマホ連携などのコネクティビティー・サービスを組み合わせることは、都市部の利用者にとっては非常に魅力的だと思います。全く新しい若い世代のオーナーを獲得できるかもしれません。

小沢 業績も大変好調ですよね。16年の販売台数は過去最高だったようで。

サムエルソン 当社はここ数年非常にいい状態が続いていて、新シリーズを発表できて大変満足です。会社自体の体力も上がってきて、中国資本の傘下になった当初と比べてずっと強いボルボがここにいます。あの資本提携はわが社にとって大正解でした。ある意味ボルボは、サステナブル(持続可能)な強い企業に生まれ変わったと言ってよく、革新的テクノロジーに力を注ぐ野心を持ち始めました。自動車業界全体に変革を起こす新コンセプトを打ち立てようということです。

例えば新しい自動運転の「Drive Me」プロジェクトや、米ウーバー(Uber)とのパートナーシップ、オートリブ(Autoliv)とのジョイントベンチャーもその一例です。それから電気自動車(EV)戦略ですね。19年以降のハイブリッドまたはEVへの集中についてはすでに明言した通りです。

本日サブスクリプション・サービスを発表したことで、再びボルボはそれらに続く第3の提言を行ったと認識しています。顧客とつながるための全く新しい方法、この手間いらずのサブスクリプション・サービスは自動車を所有する全く新しい方法といえるでしょう。

小沢 具体的にはどういうことでしょう。

サムエルソン ディーラーに行って面倒な手続きをする必要がありません。価格交渉も不要で、全国共通価格がすでに保障されているわけです。特に欧州に関しては国別ではなく、欧州全体が1つの価格、1つの条件。透明性が高く、どんなサービスが含まれているかが明記されています。そのほかコネクティビティーやカーシェアリングも新しい提案をしていきますから。

小沢 非常に興味深いです。一瞬、ちょっとイメージしにくいですけど。

EV計画は中国からの要請では?

サムエルソン 具体的には頭金なし、住所や年齢によっても差のない地域均一価格でクルマを手に入れられるシステムです。クルマの保険も含まれていて、複数回の車種変更が可能です。週末用に一時的に「少し大きめのクルマが欲しい」となったら替えることも可能。

小沢 具体的に一体毎月いくらぐらい掛かるかが気になりますが。

サムエルソン それはお待ちいただきたいのですが、感覚としては携帯電話のような感じだと思います。従来のクルマを所有する感覚とはまったく違います。

小沢 やっぱりスマホ世代へのアピール戦略?

サムエルソン お客様の声を真剣に聞いた結果です。従来から手続きが面倒だとか、何が含まれているのか不明瞭とか、いろいろ意見をいただいていて、それをなくしてほしいという要望に応えたのです。

小沢 日本でもうまく導入されるといいんですが。

サムエルソン システムにはかなり自信を持っています。最初は限られた国から展開を始めて、5年後には売り上げ全体の20%をサブスクリプション・サービスが占める計画です。まずはテスト段階ですが、何年かのうちにはいろいろな国への展開ができると思います。

小沢 ところで単刀直入にお聞きしますが、例のボルボの電動化計画や自動運転プログラムは、中国サイドからの要求ではないのでしょうか?

サムエルソン そんなことはありません。中国からの要求というより顧客全体からの要望です。EVは魅力的でメリットがたくさんあり、生産コストも安くなってきてます。近い将来に魅力的なクルマということだけでなく、十分な利益を生む商品になるはずです。そのためにはコスト低減の必要がありますが、今までのクルマより可能性があると判断しました。それが、19年以降、われわれがEVまたはハイブリッドに集中していくと決めた理由です。

小沢 EVはもっと安くなると?

サムエルソン あなたは日本人だから、ハイブリッドにいいイメージをお持ちでしょう。自動車会社がフレキシブルになるためには、ハイブリッドはとても良い選択肢の一つですし、その一方で今まで通りのクルマを好むお客様もいらっしゃる。というわけで、この先何年かは2本のレールで進むでしょうね。ハイブリッドやEVと従来通りのクルマ。ちなみに当社のハイブリッドは48Vマイルドハイブリッドが基本となります。

ボルボ技術を使った中国ブランドも

小沢 ボルボのラインアップは今後まだ増えていくんでしょうか?

サムエルソン 今のところこれ以外に小型車などを増やす予定はありません。まずは今ある40、60、90シリーズ。将来的に可能性がないわけではありませんが、今後は各シリーズでSUV、ワゴン、セダンの生産を続けていくということです。

小沢 ほかのプレミアムブランドはどんどんラインアップを増やす傾向にありますが。

サムエルソン ボルボは6年前が年間約35万台、16年が約53万台、今年は従来ペースを超えています。規模的には大体レクサスぐらいで、ランドローバーやジャガーもだいたい同列。もちろん100万台は突破したいですが、最も大切なのは台数を増やすことより、より良いクルマを造ることであり、時代にあったコンセプトを打ち出すことです。自動運転、EV、サブスクリプション・サービスなど、魅力あふれるクルマやサービスを提供できれば数字はおのずと伸びていくはず。台数を増やすために手段を選ばないのは、愚かなことですよ。われわれとしては欧州での市場獲得、アジアでの競争力の増強という目標があります。米国にも来週行きますが、そこでも伸ばしたいという希望があります。それを合計すれば80万台も達成できると考えています。

小沢 実は先日、同じ中国ジーリー・ホールディングス資本の新ロンドンタクシー製造会社に行って驚きました。ボディー製造には英国の技術を使っていましたが、エンジンやモーター技術はボルボ! 今後、グループとしてどう発展していくんでしょう?

サムエルソン それも一つの未来像です。彼らはボルボのパーツとテクノロジーを使い、新しい独自の車を造っています。彼らが独自にEVの技術開発を行うことは不可能ですから。それから今後ジーリーグループが出す新ブランド「Lynk&Co」も一つの未来像で、ある意味アウディと東欧メーカー、シュコダの関係に似ていると思います。当社としては技術を提供をする代わりに、サスペンション、ブレーキ、アクセルなど量産効果で製造コストを抑えることができる。一方、相手方は中国でかなり高品質なクルマを造ることができます。要するにウィンウィンの関係なんです。

小沢 なるほど。今までにないスウェーデン技術と中国マネーの共演とは。いや、すごい時代がやってきました。

小沢コージ
 自動車からスクーターから時計まで斬るバラエティー自動車ジャーナリスト。連載は日経トレンディネット「ビューティフルカー」のほか、『ベストカー』『時計Begin』『MonoMax』『夕刊フジ』『週刊プレイボーイ』、不定期で『carview!』『VividCar』などに寄稿。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)など。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ、シティ・カブリオレなど。

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