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九州 味めぐり

マツタケの前菜とジビエ 深まる秋を楽しむ フランス料理「サンテミリオン」

日本経済新聞西部夕刊

2017/11/16

 初めは少し緊張した面持ちが、デザートの頃にはすっかりくつろいでいる。格式を大切にしながらも店の中央にあしらった季節の草木や、テーブルに置かれた挿し花が温かみのある空間を演出する。

 オーナーシェフの渡辺伊一郎さんは北九州市出身。八幡地区にあった「金のフライパン」や東京・代官山「ラ・ヴィーナス」で著名シェフの下で働き、フランスやイタリア各地で修業。在日オーストリア大使館の料理長などを経て、2007年に開業した。

イラスト・広野司

 「伝統的なスタイルには基礎となる食材が大切」と九州を中心にできる限り産地に足を運ぶ。器も宮崎県の綾(あや)切子、佐賀県の有田焼など職人の元を訪ねて吟味したものがほとんど。アンティークのバカラなどもさりげなく登場する。

 11月ならジビエを楽しめる。エゾシカ、カモなどジビエの中でも移り変わる旬をとらえ、骨でとったダシにジャムやフォアグラ、香辛料などを加えた古典的なソースにこだわる。伝統を重んじるばかりではない。マツタケはクリーム煮やスライスをトウモロコシの生地と重ねて焼いたガレットにしてスダチを軽く搾り、温かい前菜として出す。

 店名は修業したフランスのワイン産地。ワインは常時500本ほどをそろえる。1人1万円程度が目安だが、予算や食材の相談は気軽にでき、接待やプロポーズに使われることも多い。(山根清志)

 〈ふらんすりょうり さんてみりおん〉北九州市小倉北区堺町2の3の33電話093・541・7089

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