販売開始から21年を迎えた老舗ブランド「ALIENWARE」を手掛けるデル。これまではブランド名のALIENWAREで出展していたが、今年は初めてメーカー名を大々的に掲げ、幅広い層を狙う戦略を打ち出した。

「世界的にみればゲーミングPCの需要は高まりつつありますが、日本については黎明(れいめい)期。まだまだこれからというのが率直な感想です」と同ブランドのマーケティングマネージャー・柳沢真吾氏。ALIENWAREではなくデルという名前で出展した点について「ゲーミングマーケットの高まりを受けて、デル名義でもミドルエンドのゲーミングパソコンを出しています。デルという名前は一般的だが、ゲーミングパソコンブランドとしてデル自体の名前をより浸透させ、メジャーになる事を目指しています」と解説する。

一方、ゲーミングPC新ブランド「OMEN by HP」(OMEN)を立ち上げた日本HPは、メーカーとしての初出展。従来はゲーミングPCとして「HP OMEN」「HP ENVY」「HP Pavilion」という3ブランドを展開していたが、周辺機器も含めたゲーマー向け製品のブランドを統一することでユーザーへの訴求力をより高めようという考えだ。

同社で製品開発を手がけるプロダクトマネージャー・森谷智行氏に一般のPCとゲーミングPCの違いを教えてもらった。
「主にグラフィックカードやプロセッサーが一般向けのPCより強化されています。例えば、RPGであればリアルタイムでキャラクターのパラメーターを変化させる必要がありますし、オープンワールドのゲームならば遠くの景色まで描画する必要があるなど、ゲームのデータというのは一般向けのソフトよりも緻密で高度な処理が求められます。それらに耐えうる性能を持つのがゲーミングPCの特徴で、排熱効率を高めるためボディーを大型化して内部に余裕を保つなどの工夫も施しています」

周辺機器は4年間で2倍以上に
東京ゲームショウにはPC系の周辺機器メーカーも出展していた。PC向けの周辺機器や通信機器などを手がけるアイ・オー・データ機器は、高精細の4K液晶モニターやキャプチャー機器などをゲームショウで展示。

「ゲームショウへ初めて出展した4年前と比べて、PCでゲームをすることへの興味や関心が高まっているように思います」というのは、広報担当の納富志津氏。液晶モニターの応答速度についてなど、ゲームをきっかけにした商品への問い合わせや感想が増えている。
GfKジャパンのアナリスト・田村覚さんによると「PCゲームの周辺機器市場は、この4年間で2倍以上の成長を遂げている」という。