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高くても売れる「ゲーミングPC」 小中学生にも人気

ネット実況人気で家庭用ゲーム機大国の日本でも

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NIKKEI STYLE

「ゲーミングPC」といわれるジャンルが盛り上がっている。多くはオンラインで対戦するゲームを楽しむユーザー向けに、性能の高い部品を搭載したパソコンだ。一般的なPCと比較して価格は高いものの、性能を重視するユーザーが多いだけに、力を入れるメーカーが増えている。本体は昨年比50%増、周辺機器も4年間で2倍以上の成長を遂げているという。海外では以前から人気が高かったが、家庭用ゲーム機とスマートフォン(スマホ)のゲームが強いといわれてきた日本で、なぜ人気が高まっているのか。

遊ぶゲームによっては20万円を超える場合も

「ゲーミングPCが盛り上がり始めたのは2~3年前ごろから」というのはソフマップAKIBA2号店パソコン総合館の石上司さん。売り場には最新のゲーミングPCがずらりと並ぶ。「購入者の中心は20~30代ですが、最近は小中学生も増えています」

これらのパソコンで主に楽しまれているのはオンライン対戦ゲーム。国内だけでなく世界中の人たちが楽しんでいるゲームタイトルも多い。

高性能なパーツを積むだけに価格は安くない。石上さんによると「10万円が一つの目安になりますが、最近は15万円以上のモデルもよく売れます」。遊びたいゲームによっては20万円を超える場合も珍しくない。

オンライン対戦ゲームの場合、パソコンの性能や周辺機器の差がはっきりと現れる。複数の仲間が協力して臨むゲームの場合、「仲間に迷惑をかけたくない、と高性能なパソコンを買う人も少なくない」そうだ。

力を入れるのは電気街の専門店だけではない。ビックカメラは9月29日にオープンした京王調布店、11月17日にオープンした船橋東武店にゲーミングPC専用コーナーを設置。実際に体験できるスペースも用意した。若年層のゲーミングPCに対する関心の高まりを受けての判断だった。

PCゲームが好きで、ゲーム情報を発信するブログも立ち上げた辻村美奈さんもゲーミングPCを愛用する20代。以前は普通のパソコンでゲームを楽しんでいたが、それが壊れた2年前に、ゲーミングPCを手に入れた。購入時の本体価格は13万円弱。さらに周辺機器の買い替えなどで10万円ほど費やしている。

「PCゲームはパソコンが高価なので初期費用が高いし、予期せぬエラーなどよくわからないトラブルも多いのですが、ゲームのラインアップが豊富、アーリーアクセスゲーム(開発中のゲーム)が楽しめる、キャラクターや効果音を変えるなどの拡張機能が豊富といった楽しさがあります」

辻村さんに今、はまっているゲームを聞くと「4対1で鬼ごっこをする『Dead by Daylight』というゲームです」という答えが返ってきた。「鬼ごっこ」というと、かわいらしいキャラクターが登場するようなイメージがあるかもしれないが、「Dead by Daylight」は一般人と殺人者に分かれ、殺される前にエリアから脱出できるかを競うゲームだ。

きっかけはSNS

調査会社GfKジャパンによると、2017年1月から8月におけるゲーミングPCの売り上げは前年比52%増と好調だという(個人向け・販売台数での比較)。

家庭で楽しむテレビゲーム(英語では「ビデオゲーム」)というと、日本では古くはファミコンやプレイステーション、最近ではプレステ4やニンテンドースイッチのように、家庭用ゲーム機を使って遊ぶ姿をイメージする。しかし、日本ほど家庭用ゲーム機が普及していない海外では、以前からPCで遊ぶのが主流だった。ケーブルテレビ網が普及しているためインターネットへの接続が日本よりたやすく、オンラインの対戦も簡単に楽しめる。

最近では対戦の様子もSNSを通じて簡単に見ることができる。いわゆる「ゲーム実況」だ。それを見て、日本でも「自分でも楽しみたい」という人が増えてきている。「YouTubeのゲーム実況を見て、ゲーミングPCがほしいとお店にやってくる小中学生も多い」と石上さん。「自分でも実況をしたい」という人も少なくないという。

デルや日本HPなどメーカーも積極的

2017年9月に開催された「東京ゲームショウ2017」。家庭用ゲーム機向けのタイトルが中心のイベントだが、ここでもゲーミングPCを展示したパソコンメーカーのブースが複数見られた。

販売開始から21年を迎えた老舗ブランド「ALIENWARE」を手掛けるデル。これまではブランド名のALIENWAREで出展していたが、今年は初めてメーカー名を大々的に掲げ、幅広い層を狙う戦略を打ち出した。

「世界的にみればゲーミングPCの需要は高まりつつありますが、日本については黎明(れいめい)期。まだまだこれからというのが率直な感想です」と同ブランドのマーケティングマネージャー・柳沢真吾氏。ALIENWAREではなくデルという名前で出展した点について「ゲーミングマーケットの高まりを受けて、デル名義でもミドルエンドのゲーミングパソコンを出しています。デルという名前は一般的だが、ゲーミングパソコンブランドとしてデル自体の名前をより浸透させ、メジャーになる事を目指しています」と解説する。

一方、ゲーミングPC新ブランド「OMEN by HP」(OMEN)を立ち上げた日本HPは、メーカーとしての初出展。従来はゲーミングPCとして「HP OMEN」「HP ENVY」「HP Pavilion」という3ブランドを展開していたが、周辺機器も含めたゲーマー向け製品のブランドを統一することでユーザーへの訴求力をより高めようという考えだ。

同社で製品開発を手がけるプロダクトマネージャー・森谷智行氏に一般のPCとゲーミングPCの違いを教えてもらった。

「主にグラフィックカードやプロセッサーが一般向けのPCより強化されています。例えば、RPGであればリアルタイムでキャラクターのパラメーターを変化させる必要がありますし、オープンワールドのゲームならば遠くの景色まで描画する必要があるなど、ゲームのデータというのは一般向けのソフトよりも緻密で高度な処理が求められます。それらに耐えうる性能を持つのがゲーミングPCの特徴で、排熱効率を高めるためボディーを大型化して内部に余裕を保つなどの工夫も施しています」

周辺機器は4年間で2倍以上に

東京ゲームショウにはPC系の周辺機器メーカーも出展していた。PC向けの周辺機器や通信機器などを手がけるアイ・オー・データ機器は、高精細の4K液晶モニターやキャプチャー機器などをゲームショウで展示。

「ゲームショウへ初めて出展した4年前と比べて、PCでゲームをすることへの興味や関心が高まっているように思います」というのは、広報担当の納富志津氏。液晶モニターの応答速度についてなど、ゲームをきっかけにした商品への問い合わせや感想が増えている。

GfKジャパンのアナリスト・田村覚さんによると「PCゲームの周辺機器市場は、この4年間で2倍以上の成長を遂げている」という。

単価も高くなっている。ゲーム用キーボードの平均は2012年が5000円弱だったのに対して、16年は8000円弱と3000円も上昇した(ちなみに一般のキーボードのボリュームゾーンは1000~2000円だという)。「0.1秒の遅延が問題になり、キーの打ち間違いなどもってのほかという世界だけに、高くても性能の高い製品を求めようとする傾向が強い」(田村さん)

前出の辻村さんも周辺機器にこだわる一人。「自分の使いやすいようにカスタマイズできるマウスは欠かせない」という。2年前にゲーミングPCと一緒に買い替えたマウスはすでに壊れ、現在は2台目。ちなみにマウスは様々な機能を割り付けられるので、仕事にも役立つそうだ。

日本での盛り上がりはこれから

国内のパソコン市場を見続けてきたGfKジャパンのシニアアナリスト・佐竹俊介さんは「海外と比べると、日本のゲーミングPC市場はまだまだ小さい」と分析する。日本では海外に比べ、家庭用ゲーム機やスマホと、ゲームを楽しめる様々なツールが普及していることが影響している。さらにゲーミングPCの起爆剤と期待されているeスポーツも景品表示法などの問題で高額の賞金をかける大会が開けないなど日本ならではの課題も残る。

だが、それでも「確実に伸びているし、今後、さらに盛り上がる可能性がある」と分析する。

日本人は家庭用ゲーム機やスマホで養われた「ゲームをする」という土壌を持っている。「PCゲームのほうが面白いと伝えられれば、さらにゲーミングPCは盛り上がるはず」(佐竹さん)

17年9月、Amazonが9億7000万ドルで買収したことで話題になった、ソーシャルビデオプラットフォーム「Twitch」が、日本オフィスを設立すると発表した。Twitchは世界中のゲーマーたちに人気のSNS。世界では毎日1000万人のユーザーが訪れ、月220万人が配信を行っている。ここで見られるゲーム実況の多くが、PCをプラットフォームにしたものだ。同社によると「日本の成長率は世界で3番目で、成長率は年2倍」。辻村さんも「自分ではできない、信じられないようなプレーが見られるので、Twitchは楽しい」という。

「世界のトッププレーヤーが使っているのは家庭用ゲーム機ではなくゲーミングPC。彼らに憧れた子どもたちはゲーミングPCに関心を持つようになる可能性も大きい」と田村さん。

ソフマップの石上さんによると、親にねだるには高すぎるのか、休日に祖父母と一緒に買いに来る小中学生の姿も見られるという。子どもたちが遊ぶのは家庭用ゲーム機、という日本の常識も変わってくるのかもしれない。

(ライター カネコシュウヘイ、大谷真幸=NIKKEI STYLE)

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