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水ギョーザが味噌汁代わりも 本場宇都宮、各店に特色

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NIKKEI STYLE

栃木県宇都宮市は「ギョーザの町」として全国にその名を知られる。毎年、ギョーザ消費量日本一を静岡県浜松市と激しく争い、その結果はニュースで報じられるほど有名だ。

しかし、浜松餃子には円形の焼き方や添えるモヤシなどの「目印」があるのに対し、宇都宮にはそれがない。「宇都宮餃子」というブランドは認識していても「宇都宮のギョーザってどんなギョーザ?」に即答できる人は少ないかもしれない。

では「宇都宮餃子」とはいったいどんなギョーザなのか。それを確かめるべく、11月4、5日に開催された「宇都宮餃子祭り2017」の会場を訪れた。

1999年に始まり、今回で19回目を迎えたイベントは、2日間で15万人もの来場者を集めた。キャッチフレーズに「年に一度の宇都宮餃子のファン感謝祭」とあるように、人気の28店が一堂に会し、しかも1皿3個100円で自慢のギョーザを提供するとあっては、大行列もいたしかたない。

会場で、ギョーザを通じた地域活性化とギョーザ文化の普及振興を目指す協同組合、宇都宮餃子会の鈴木章弘事務局長に宇都宮餃子の特徴について話を聞いた。

特徴の一つはギョーザ専門店の多さ。一般的には中華料理店やラーメン店の1メニューとしてのギョーザが評判になることが多いが、宇都宮の場合はギョーザしかメニューにない店が多いのだ。店によってはビールも出さない、さらにはライスすらもないという店もあるのだから、まさに「専門店」だ。

そうした人気店には、焼きギョーザのほかに水ギョーザ、さらには揚げギョーザなどメニューにバリエーションがあることも特徴だという。

2001年に宇都宮餃子会が発足するにあたって、各店がそれぞれ競い合うことで発展してきた宇都宮餃子の歴史を背景に「あえて「これが宇都宮餃子」というモデルを作るのではなく『味はそれぞれ競い合い、宣伝は共同』で運営」(鈴木事務局長)することを決めた。

各店で、焼き、水、揚げとを食べ比べ、さらに店を変えて、あんや皮、形、焼き方の違いも楽しむ……。そんなところが宇都宮餃子の特徴と言える。味や形ではなく、ギョーザを食べるスタイルが「宇都宮餃子」と言えるだろう。

興味深かったのは焼きと水の「ダブルギョーザ」の定食だ。全国チェーンなどでは、ギョーザ定食といえば焼きギョーザが2人前に、ライス、味噌汁あるいは中華スープ、漬物といった組み合わせが思い浮かぶ。しかし、宇都宮のギョーザ専門店では、水ギョーザが汁物としてセットされたりするのだ。水ギョーザをすすりながら、焼きギョーザでご飯をかき込む。宇都宮ならではのスタイルだ。

さぁ、実際に会場内を食べ歩いてみよう。

宇都宮餃子のルーツは、中国東北部に派兵されることが多かった宇都宮の陸軍第14師団の兵士が戦後、その味を日本に持ち帰ったとする説が有力だ。また、内陸気候から夏暑く、冬寒いために、スタミナがつくギョーザを好んで食べたという背景もあるようだ。

しかし、そもそも本場中国のギョーザは水ギョーザが基本。焼きギョーザは、食べ残したギョーザを翌日焼いて温め直して食べた、いわば「始末の料理」だったが、これが日本人の味覚にハマった。

調理にバリエーションのある宇都宮餃子だが、やはり1番人気は焼きギョーザ。この日も大半の店舗が焼きギョーザを提供していた。スタンダードなギョーザは一見違いが分からないが、それぞれに店の個性を発揮する。

「龍門」はぱりっと焼き上げる薄皮が特徴。あんはキャベツとタマネギの食感を生かすとともに地元特産のニラにもこだわる。「さつき」は皮の小麦に地元産のゆめかおりを使用、もちもち感を出している。あんの豚肉もとちぎ夢ポークと地元産食材にこだわる。「幸楽」はじっくり寝かせたオリジナルブレンドの小麦粉を皮に使用、世代を問わず食べやすい、シンプルな味だ。

焼きギョーザの中で個性が光ったのは「鵜の木」。まるでおやきのようなまん丸い形が個性的だ。あんもニンニク未使用の、もちもちの皮を主に味わう仕様だ。

水ギョーザは3店が出店していた。その中で「青源」は本業が味噌屋という変わり種ながら、ネット上のランキングなどでは上位に顔を出す人気店。器にベースの味噌だれを入れ、そこに水ギョーザをお湯ごと注ぎ入れ、最後に辛味噌を添える。

味噌スープはしっかりとショウガが効いていて後を引く味だった。

揚げギョーザはハンバーグやミートボールで知られる地元メーカー、マルシンフーズが提供した。皮にもち米を練り込むことで、かりっとした食感を実現。カレー塩とゆず塩を好みでかけて食べるスタイルだった。

焼きギョーザで個性的だったのは「桃泉楼」。ウメ、ヨモギ、そばの季節の素材3種を皮に練り込んだ。目にも鮮やかな3色ギョーザは、皮の風味の違いも楽しめた。

せっかくなので、会場を飛び出して、市内の有名店ものぞいてみることにしよう。まず向かったのは、会場にも出展していた「宇都宮みんみん」。行列で知られる1958年創業の老舗だ。

初代は北京在住経験があり、そこで覚えたギョーザが大陸からの引き揚げ者たちの人気を呼んだという。本店のメニューは焼き、水、揚げのギョーザ3種のみ。サイドメニューもライスと漬物、ビールのみというまさにギョーザ専門店だ。

「宇都宮みんみん」のギョーザはしっかり詰まったあんが特徴。適度な肉汁がビールを誘う。「ビールにギョーザ」の組み合わせがいかに理想的か、改めて認識させられる。

水ギョーザはスープではなく、お湯でゆでただけ。お湯につかかったままの状態で、そこに調味料を加えて味わう。

揚げギョーザは、かりっとした皮の食感がこれまたビールを誘う。

続いて、「宇都宮みんみん」と並ぶ有名店で、会場には出店していなかった「正嗣宮島店(本店)」もチェックしておこう。焼きは、野菜たっぷりのあっさりギョーザ。水ギョーザはやはりお湯だけだ。

同店は地元でもこだわりの店として知られ、メニューにはライスもビールない。あるのはギョーザ、焼きと水、持ち帰り用の冷凍のみだ。

せっかくのおいしいギョーザを「理想の組み合わせ」で味わえないのは残念だが、これもまた宇都宮のスタイルなのだろう。

人気店の中には通信販売で冷凍ギョーザを販売する店もあり、また会場に出店していたマルシンフーズなど、宇都宮餃子ブランドの商品を提供するメーカーもある。とはいえ、ギョーザ専門店のこだわりの雰囲気はやはり地元で食べてみないことには味わえない。ギョーザ好きなら一度は「水ギョーザをすすりながら焼きギョーザを定食で食べる」経験をしてみるといいだろう。

(渡辺智哉)

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