個性的なアイテムは1つだけ 男前になるためのルール
ブランドエージェント、マウリツィオ・デッラ・ザーナさん
18歳でアパレルブランドに就職してから販売員、バイヤー、コンサルタントなどイタリアのファッション業界でさまざまな職種を経験してきたマウリツィオ・デッラ・ザーナさん。現在はニットウエアで知られるブランド「ブルネロ クチネリ」のエージェント(代理人)として、イタリア国内や欧州を飛び回っています。「個性的なアイテムをひとつだけ取り入れる」というこだわりに、大人のかっこよさがにじみ出ています。
水の都ヴェネチア生まれのマウリツィオさんは小さいころから服が好き。「中学時代、学校新聞にファッションについてのニュースや流行の傾向などの記事を書くのが楽しみでした」と照れくさそうに語ります。18歳でアパレルブランドに就職、販売員から始まり、マネージャー、ディレクターへと昇進。その後、セレクトショップのバイヤーやコンサルティングなどさまざまな経験を積み、27年前からはブルネロ クチネリのエージェントとしてヴェネト州エリアを担当しています。メンズラインでは唯一の外部スタッフとして活躍中です。
「大成功し続けているブランドですし、自ら製作に携わっているので、仕事ということを忘れるくらい、毎日楽しくて仕方ありませんね」。1年のうち5カ月はミラノに滞在。それ以外の半年は、週3ペースでクチネリ本社のあるペルージャへ。残りはリサーチなどで、イタリア国内やヨーロッパを飛びまわっているという多忙ぶり。週末は生まれ育ったヴェネチアで、ゆっくり過ごすことが多いということ。アートが好きで、美術館をじっくり観てまわる一人バカンスを好む物静かな一面も…。深みのある人間性が醸す、独特な抜け感のあるスタイルはぜひお手本にしたいですね。
【STYLE 1】 あたたかみのある素材と色で余裕のある休日スタイルに
故郷ヴェネチアの、ブレンナ川の水上タクシー乗り場にて撮影。ブラウン系の自然色に溶け込むムートンのアウターに、ダークグレイのパンツとブラックニットで落ち着いた雰囲気に。
【STYLE 2】 インパクトのあるジャケットもトーンをそろえれば上品に
行きつけのレストランでの週末ランチには、カジュアルなスタイルが多いそう。インパクトのあるアイテムを1点のみ、コーディネートに入れるのがマウリツィオさん流。
【STYLE 3】 Tシャツ&デニムは極上アウターで格上げ
ナポレオンも滞在したこともあるピザーニ邸の美術館へ。カシミア素材の極上コートに合わせたのは、Tシャツとデニム。最上級アイテムにスポーティ&カジュアルを合わせる抜き技には脱帽です。
【STYLE 4】 秋冬の白スタイルはベージュトーンでまろやかに
本来は「食前酒」という意味をもつ、ヴェネチア生まれのカクテル「アペリティーヴォ」を嗜みながら…。そんなひとときには、秋冬スタイルへと季節は変われど、白Tシャツ&白デニムは欠かせないアイテムだそう。
【STYLE 5】 太パンツでリラックスムード漂うスーツスタイル
ガラスの巨大シャンデリアが目を引く洗練されたインテリアのショールーム兼オフィスでは、リラックス感のあるスーツスタイルで。ネクタイ嫌いのマウリツィオさんですが、アンタイドでも最高にエレガントです。
【STYLE 6】 タキシードにあえてのスリッパハズしテクがお見事
友人を招いてホームパーティをするときは、タキシードを着ることも。ブラック&ホワイトのメリハリコーディネートなのに、コンフォートかつエレガントで落ち着いた雰囲気なのはさすがです。
Photograph / Massi Ninni Coordination & Text / Minako Shimada Edit / Yumi Matsubara
[MEN'S CLUB 2017年11月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
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