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iPhone X実機検証 識者3人とも「顔認証は使える」

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NIKKEI STYLE

有機ELディスプレーを採用し、ホームボタンをなくしたiPhone Xが登場した。これまで10年間、少しずつ進化してきたiPhoneの歴史の中で最大の飛躍ともいえる機種だ。実際に使った感想を、iPhoneを使った写真を撮るフォトグラファーとして著名な三井公一氏、日経トレンディネットで長年iPhoneの記事を書いてきた磯修氏、辛口評価記事で人気の戸田覚氏に聞いた。

三井氏:ディスプレーは印刷した紙のよう

iPhone Xの背面は、iPhone 7 Plusや8 Plusと異なり、レンズが縦に並ぶようになった。明らかに外観が変わったわけで、ユーザーにとってはステータス感がある。きょう体の幅が狭く、持ちやすいのもうれしい。有機ELのディスプレーは美しく、まるで紙に印刷した写真のように見える。明るい屋外など、液晶だと見づらいような環境でも画面が見やすいので撮影も楽にできる。

カメラに関しては、基本的にiPhone 8/8 Plusの延長線上にある。iPhone 8や8 Plusのカメラは、ハードウエア・スペック的にはiPhone 7/7 Plusと大きく変わっていないが、絵作りの点では大きく進歩している。以前よりも色味が鮮やかで「記憶に残る色」に近くなった。ただ、一部のアンドロイド機のように、むやみに派手な色になるのではなく、落ち着きもある。フォトグラファーとして好感が持てる色だ。iPhone Xも絵作りの点ではほぼ一緒だ。

iPhone 8 Plusと違うところとしては、iPhone 8 Plusではリアカメラだけで使えるポートレートモード(周囲をボケさせる機能)が、フロントカメラでも使える点が挙げられる。顔認証のために入った赤外線カメラを使って深度情報を取っているのではないかと思う。フロントカメラのボケのつくり方も自然だ。アンドロイド機の中には、カメラとしてあり得ないようなボケをつくれるものもあるが、iPhone Xは機能的にも絵的にもカメラとして違和感がない。自撮りが好きな人にとっては魅力的な機能になると思う。

動作も全般に速くなった。動いているものを撮影するときに発生する「ローリングシャッターゆがみ」もほとんどない。

このほか予想以上によかったのは顔認証の機能だ。サングラスを着けていたり、帽子をかぶっていてもちゃんと認証した。認証の速度も速い。冬場の屋外の撮影ではグローブを着けることが多いが、スマホ対応のグローブを使っても指紋認証できないのがネックで、認証のたびにグローブを外すのが面倒だった。iPhone Xならグローブを着けたままで認証してすぐ撮影できる。夏の水辺の撮影なども、ぬれた手では指紋認証しづらかったので、顔認証が役に立つだろう。

ホームボタンがなくなり、画面が全面的に使えるようになったのもうれしい。操作には全く違和感がない。2、3日使っただけで、ホームボタン付きのiPhoneを見ると古臭く感じるようになってしまった。

一方、残念なことは、2つあるリアカメラのうち、望遠側の焦点距離が変わったことだ。iPhone 7 Plus/8 Plusの望遠カメラは35mm換算で57mm相当だが、iPhone Xは52mmになった。iPhone 8 PlusとiPhone Xの望遠側で撮った写真を比べてみると違いは一目瞭然だ。iPhone Xでは望遠側にも手ぶれ補正が入ったが、そのためなのだろうか。しかし、プレスリリースなどでは、焦点距離が変わったことについて全く触れていない。使ってみて初めて分かるというのは、あまりよくないことだ。知っていたらiPhone 8 Plusの方を選ぶというユーザーもいるかもしれない。そもそも52mmというのは、普通のカメラの標準である50mmとほぼ同等で、望遠と呼ぶのはどうか、という気もする。

三井公一
 iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影している。2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。

磯氏:ベゼルレスの画面に魅力感じる

iPhone Xを実際に持ち歩いて1週間ほどが経った。歴代のiPhoneを使い慣れた身にとって、「ベゼルレス」になった大画面は新鮮で印象的だ。これまでにはない「未来感」が味わえるのも、どこか心地よい。

iPhone Xが優れていると感じるのは、大画面とコンパクトさを両立している点だ。飲み会などでiPhoneの話になると、「大きな画面がよかったのだけれど、iPhone 7 Plusは大きくて扱いづらかったのでiPhone 7にした」という人が意外に多いことに気づく。そういう人にとっては、幅を抑えながら大画面化を果たしたiPhone Xは魅力的な存在となるだろう。

画面が上下に伸びた恩恵は、意外な部分で実感できた。文字入力切り替えの地球ボタンと音声入力のマイクボタンが独立し、最下段の左右に分散して配置されたことだ。これまでのiPhoneだと、入力モードを切り替えようとして隣接する音声入力ボタンを押してしまうことがあったが、両者が左右に分かれたことでミスタッチのストレスが減った。ささいな変化だと感じるかもしれないが、文字入力はスマホのあらゆるアプリで関係する要素だ。使い込んでいくほど、この変更は大きいと実感できるはずだ。

画面上部に存在する「切り欠き」はいたく評判が悪いが、意外に気にならないというのが使ってみての実感だ。動画を全画面で再生するとその部分が欠けてしまうのはさすがにいただけないが、「画面の一部が欠けていても大きくワイドな全画面で見たい」と思わせるのは新鮮な発見だった。

iPhone Xの大画面は映画や動画を鑑賞したい人にとどまらず、ゲーム愛好家にも受け入れられるのではないだろうか。iPhone Xの画面サイズは5.8インチで、これは携帯型ゲーム機のPlayStation Vitaの5インチよりも大きく、6.2インチのNintendo Switchに迫るサイズだ。有機ELは液晶に比べて残像が少ないのもメリットとして挙げられる。ワイドな大画面を生かしたゲームアプリや、iPhone Xと一体化できるLightning接続のゲームコントローラーなどの周辺機器の登場に期待したい。

9月に米国で開かれた発表会では試せなかった顔認証のFace IDだが、きわめてストレスなく使えている。指紋認証のTouch IDのほうがよいという声もあるが、指紋認証がうまくいかない人にとっては魅力的な存在になるはず。iPhone 6を使っている妻は、冬場の水仕事で指が荒れるとなかなか指紋認証されなくなる、とこぼしていた。体質などの要因で指紋認証がうまくいかない人にとっては、Face IDがあるiPhone Xは断然使いやすいと感じるのではないか。

がっかりというか、気になった点もある。Face IDでロック解除する際、顔認証が通ってロックが解除されてもホーム画面が表示されないのだ。ロック解除できたあと、画面を下から上にスワイプする必要があるのだが、これがやや手間に感じた。ロックが外れたらすぐにホーム画面が現れるTouch IDの挙動に慣れてしまっているからだろう。意図せず顔認証が通ってしまった際にセキュリティーを確保するための配慮なのだと思うが、設定によりスワイプなしでホーム画面が現れるようにできるとよいと感じた。

iPhone Xは、ホーム画面を下から上にスワイプする動作が多くなるが、スワイプした拍子に端末が前方に転げ落ちないか不安になることもある。特に、片手で持ちながら親指でスワイプする際は不安定になりやすいので、できるだけ片方の手を添えて操作するなどして気をつけて使ったほうがよいだろう。それもあってか、iPhone X用のケースは耐衝撃タイプの比率が多いという話を取材で聞いた。高価なスマホだけに、ケースは単純にデザインだけで選ぶのではなく、耐衝撃などの機能性も重視したほうがいいかもしれない。

まだiPhone Xに最適化されていないアプリが多いのも気になった。グーグル製アプリでも、Googleフォトがいち早くiPhone Xの画面サイズに対応したのに対し、Googleマップはいまだ対応していないなど、同じ会社でもばらつきがあるのが気になる。もっとも、これは時間が解決してくれるだろう。iPhone Xに対応する際、単に表示領域を拡大するのではなく、これまでにないプラスアルファの機能や表示方法を追加するといった新しい流れが生まれるかもしれない。

磯修
 1971年生まれ。「日経トレンディネット」にて、デジタルカメラやイメージングデバイス、アップル&スマートフォン関連、リユース&中古市場を中心とした分野の取材・執筆を手がける。

戸田氏:素晴らしい完成度の新世代

iPhone Xを1週間ほど使っているが、これまでに利用したスマートフォン(スマホ)の中で、最も完成度が高いと実感している。ガラスとステンレススチールを採用した本体の完成度には圧倒され、手に伝わる質感も素晴らしいのひと言だ。本体カラーはシルバーとスペースグレイの2モデルが用意されているが、より新しさを感じるのはシルバーで、スペースグレイは、バンドも黒に仕上げられているので、これまでのiPhoneと似たデザインに感じるだろう。

事前の予想をいい意味で大きく裏切ったのが顔認証の精度だ。僕は、これまでにもGalaxy S8+を購入して顔認証を利用していたが、あまりにも認識率が低く、とても使い物にはならなかった。ところが、iPhoneの顔認証は文句のつけようがない。メガネを掛けていても、ほとんど関係がないかのように正確に認証する。メガネを脱着しても、また種類を変えても問題ない。驚くべきことにサングラスを掛けても認証する。日常利用で問題になるのは、マスクくらいだろう。

ホームボタンがなくなって操作性が変わったが、1日使えば慣れる。もうホームボタンはいらないと思わせるほど快適だ。画面占有率が大きなモデルは、Androidが先行しているが、iPhone Xのユーザーインターフェースは非常によく考えられており、多くの点でAndroidを上回っていると実感している。

有機ELに変わったディスプレーも素晴らしい画質と明るさだが、5.5インチのiPhone 7 Plusを使ってきた僕としてはちょっと画面が小さく感じる。対角線の長さで決まるスペック上のサイズは5.8インチと大きいのだが、実際に定規で測って面積を計算するとやや小さい(正確ではないが)。iPhone 7 Plusシリーズよりも画面が広いと思って使うと裏切られることになるので注意してほしい。また、画面の縦横比も異なるので、現在のところ、全画面で使えるアプリは少ない。写真を表示してもサイズはかなり小さくなってしまう。

iPhone Xには、64GBと256GBの2モデルがある。どちらも高価なので、どうせなら256GBモデルを買って長く使うのが正解だが、おそらく後々困ることになる。容量が大きすぎてパソコンへのバックアップが取りづらいのだ。特にモバイルノートを使っている方は、SSDの容量が足りずにバックアップが取れないという事態に陥る可能性があるので注意しておこう。パソコンに比べてiPhoneの進化が早すぎるのだ。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は120冊以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。

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