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株価調整に備え、広がる貴金属投資 現物の安心感も コインやETF、先物など選択肢も豊富

2017/11/11

地金やコインも身近な投資先で人気が高い(TANAKA GINZA銀座本店)

 貴金属への投資が静かに広がっている。金だけでなくプラチナや銀でも現物や上場投資信託(ETF)に投資する選択肢があり、資産を手元に置く安心感が魅力だ。史上最高値圏の米国株をはじめ株価が世界的に堅調ななか、投資家が資産を分散する受け皿の一つになっている。

 貴金属の中でも特に金は、国際紛争や株価の急変など不測の事態が起きると「安全資産」とみなされる。資金の逃避先という性格を持ち、プラチナなど他の貴金属とともに収益率や値動きは株式との相関が低いとされる(グラフA参照)。時期によって債券と逆相関になることもある。

 「保有資産の5~10%を金にあてることを勧める」――。世界最大のヘッジファンドを運用する著名投資家のレイ・ダリオ氏は8月、具体的な数字を交えてこんなコメントを出し市場関係者の注目を集めた。

 今年のノーベル経済学賞受賞が決定したシカゴ大のセイラー教授は、世界的な株高について「謎だ」とロイター通信に語った。株が上がるほど、分散投資先としての貴金属の注目度も上がりやすくなる。

 8月末、北朝鮮がミサイル実験を強行すると、国内外の金相場は急上昇した。東京商品取引所の金先物は9月上旬に1グラム4700円を超え、約2年2カ月ぶり高値をつけた。現在も4600円台を維持し底堅い。

 ひとくくりに貴金属といっても、値動きの方向が同じとは限らない。宝飾材料でおなじみのプラチナは発掘量が金を下回り金に比べ希少性が高いものの、東商取の価格は15年初めから金を下回り続ける。

■用途動向にも注目

 理由は実需向け用途の違いにある。宝飾向けが大半の金に対し、プラチナはディーゼル車の触媒といった工業向けが約6割を占める。ディーゼル車の販売が振るわず、将来的な電気自動車(EV)へのシフトの動きも出ていることが、相場の重荷となった。

 供給面に目を向ける必要もある。プラチナ同様に自動車用触媒といった産業向けの使い道が多いパラジウムは、主産地ロシアでの減産観測で東商取で10月、約16年ぶりにプラチナを逆転した。マクロ経済や国際政治の動向に加え、技術革新の流れや供給事情といった材料が相場環境を想定以上に変えることがある。

 貴金属投資は(1)東商取での先物取引 (2)ETF (3)地金など現物取引――の3つに大別できる。先物取引として東商取は金、銀、プラチナ、パラジウムをそれぞれ上場。証拠金を上回る金額で投資でき、値動き次第で想定以上に損失が膨らむリスクを伴う。ETFは投資金額全体を払う。株式と同じ感覚で投資ができ、身近な運用先といえる。

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