【基本の合わせだしのとり方】

代表的なうまみ成分であるアミノ酸系のグルタミン酸と核酸関連化合物のイノシン酸・グアニル酸は、「組み合わせることでうま味が強くなる、相乗効果がある」(二宮さん)。また、配合比率を1:1にすると単独で味わうときよりもうまみが7~8倍強いという報告がある。

超カンタン! だしのとり方

[電子レンジを使う] 水500mlに昆布(10センチ角)を1枚、カツオ節ひとつまみを入れ、電子レンジ(600W)で3分加熱する。出来上がりすぐでも使えるが、加熱後10~15分置くと、だしの風味が一層出る。

[昆布だしは水につけておくだけでOK] 1Lの水に10gのだし昆布をつけておく。一晩冷蔵庫に置いたら、昆布は取り出そう。このまま昆布だしとして使ってもよいし、加熱してカツオ節を加え、合わせだしをとるのもよし。冷蔵し、2日程度で使い切ろう。

[うまみ調味料やだしパックも活用を] うまみを加える最も簡単な方法が粉末調味料。一味足りない料理に加えると、グッとうまみが増す。また、はやりのだしパックはだし殻が生じないのがメリット。調理が苦手という人も、入れるだけでうまみのある料理ができる。
【だしライフを充実させる+αレシピ】
だしを幅広く楽しめる方法が、スープ。だしというと味噌汁やすまし汁というイメージが強いが、洋風にも合う。グルタミン酸が豊富なトマトとの相性はバツグン。また、お茶のようにだしを楽しむ方法も。カフェインを含まず、血流を促す作用もあるので、寝入り前のドリンクとしてもお薦めだ。
だし+梅干し 香りで心がほっと緩む、お休み前のリラックスドリンク

合わせだしで梅の塩気が和らぎ、ホッとする味。なじみ深いだしと梅の香りで、凝り固まった心身も緩み、血流もアップ。お休み前のドリンクにも向く。
だし+ショウガ 体の中から温まる、くず湯風ドリンク

ショウガのピリッとした辛みの成分であるジンゲロールとショウガオール。血流を促し、体を温める効果がある。冷え性の人にお薦め。ショウガとユズの風味が加わることで、飲みやすくなる。
だし+トマトジュース リコピンの力で血流アップ

トマトの赤い色素は、カロテノイドのリコピン。抗酸化作用が強く、血流を促す作用がある。合わせだしとの相性も良く、食事のお供にも。
だし+味噌 鍋がなくても作れる、お手軽味噌スープ

合わせだしを注ぐだけで味噌汁が完成。具材は好きなものを加えてもOK。味噌を入れなければ、すまし汁としても楽しめる。

(ライター 高橋晴美、日経ヘルス編集部 写真 鈴木正美、スタイリング タカハシユキ)
[日経ヘルス 2017年11月号の記事を再構成]