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女性にうれしい「だし」 ダイエット効果や冷え改善も

日経ヘルス

2017/11/14

(写真:鈴木正美)
日経ヘルス

 ユネスコ無形文化遺産に認定された和食の根幹を支えるのは、だし。水に溶けだしたうまみ成分には、さまざまな健康効果があることがわかってきました。今回は飲み物としてのだしに着目。女性にうれしいだしの効果と楽しみ方をご紹介します。

■和食の基本「だし」のうまみは、食べ過ぎを防ぐ効果も

 日本が世界に誇る文化である和食。その味を支えている味覚の1つに、うまみがある。誰もが、味噌汁を飲んでホッとする、心が和らぐ効果を感じたことがあるはず。「日本人はうまみに自然に触れてきているので、経験的にうまみのおいしさを知っている」と、NPO法人うま味インフォメーションセンター理事の二宮くみ子さんは話す。

 このうまみのもととなる成分には、健康に役立つ作用がある。昆布などに含まれるアミノ酸の一種であるグルタミン酸は適度な食欲を刺激する一方、食後の満腹感を長持ちさせ、食べ過ぎを防ぐという。「グルタミン酸の受容体は胃にもあり、迷走神経を通じて脳を刺激してたんぱく質の消化・吸収にかかわっていることもわかってきた」(二宮さん)

 また、グルタミン酸は、「カツオだしなどに含まれるイノシン酸と一緒にとることで、うま味が7倍以上になるという研究データがある」(二宮さん)。和食で多用される合わせだしにも科学的な裏付けがあったわけだ。イノシン酸には、血流を促す作用や疲労回復効果などが確認されている。

 こうしたうまみの相乗効果は、「おいしい減塩」を実現する手段としても注目されている。

 だしを手軽にとるには、味噌汁やすまし汁、スープにして飲むのがお薦め。飲み物としてだしを取り入れてみよう。

 健康な成人12人を2群に分け、通常の食事に加え、グルタミン酸(MSG)を0.5%含むコンソメスープと含まないスープを飲んでもらった。その後、ケーキやスナック類のデザートを提供、摂取カロリーを調べた。グルタミン酸を含むスープを飲んだ群の摂取カロリーは、含まないスープを飲んだ群に比べて有意に低かった(データ:Physiol.Behav.;82,21,2004)。

■だしの5つの健康効果

1.満腹感を持続させ食べ過ぎを防ぐ

 グルタミン酸を含む食事をすると、含まない食事に比べて満腹感が持続するという報告がある。イノシン酸がうまみの主成分となるカツオだしについても、カツオだしを含む食事をした場合は、含まない食事よりも満腹感が続きやすかった。また、グルタミン酸を含むスープを食後に摂取することで、その後の間食による摂取カロリーが減るという報告もある。

2.心を安定させる

 うまみ成分には精神的な安定を促す作用があることもわかってきた。カツオだし摂取によって、緊張感や不安感などの総合的な感情状態が改善するという報告があり、精神的なストレスを軽減する効果が期待できる。また、グルタミン酸摂取により胃の運動が活発化することで食欲が安定し、自律神経や精神状態と作用しあう可能性があるという報告も。

3.【カツオだし】 疲労を改善する

 カツオだしに含まれるヒスチジンやアンセリンには血流を促す作用があり、さまざまな疲労の回復を促すということがわかっている。運動後の疲労や精密作業後の精神的な疲労、眼精疲労が改善したという報告がある。

4.【カツオだし】 血流を促し、冷え、肩こりを予防

 温かいだしを摂取することで体が温まり、血流が促されるため、冷えの改善効果が期待できる。125mlのカツオだしを摂取することで皮膚の血流量がアップしたという報告がある。また、血流を促すことで肩こりや頭痛を和らげる作用も期待できる。

5.【昆布だし】 脂肪をたまりにくくする

昆布に含まれるネバネバのもとは水溶性食物繊維のアルギン酸。過剰な脂肪の吸収抑制、血糖値の急激な上昇を抑える作用がある。また、昆布のだし汁で内臓脂肪の蓄積が抑えられるという動物実験の報告もある。

■食育で注目される うまみの可能性

 食育の場でも注目を集めているのが、だしのうまみ。「幼いころからうま味に触れていることで、正常な味覚形成を助けていると考えられる」(二宮さん)。カツオだしを用いた動物実験では、香りが芳醇な天然だしのうまみは、本能的に「おいしい」と感じる油脂や糖分(甘み)に匹敵するという報告がある。幼いころからうまみに触れておくことで、将来的にヘルシーな和食を好む方向に導くことができるとも考えられている。

■うまみが加わることで減塩に役立つ

 一般に減塩料理は物足りなく感じられがちだが、その弱点をうまみが補える可能性がある。通常の料理から2~3割減塩した料理にうまみ調味料を加えた料理と、加えない料理を提供したところ、うまみ調味料を加えた料理は減塩したにもかかわらず、「おいしい」と感じる人が多かったという研究がある。このことから、おいしい減塩料理を実現する手段としての研究が進められている。

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