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太陽系の外から未知の天体が飛来 初観測は歴史的快挙

日経ナショナル ジオグラフィック社

2017/11/11

ナショナルジオグラフィック日本版

謎の天体「A/2017 U1」は秒速約26キロで太陽系に上から近づき、9月9日に太陽に最接近した。秒速44キロで飛びながら地球から遠ざかり、やがて太陽系を離れていく。(COURTESY NASA, JPL-CALTECH)

 世界中の天文学者は、これまで見たことのないある物体を先を争うように観測していた。その物体とは、太陽系の外から飛来した岩と氷の固まり「A/2017 U1」だ。

 2017年10月19日に発見された直径数百メートルのこの天体は、現在、時速約15万キロで地球から遠ざかっている。これほどのスピードがあれば、太陽の引力を振り切ることが可能だ。つまり、A/2017 U1がわれわれの太陽系には属さないことを示している。

 今回の発見は、星や惑星の形成を研究する天文学者にとって歴史的なものだ。科学者は長年の間、惑星ができる過程で氷と岩の固まりが形成され、それが何らかの力で星間空間に押し出されると予測してきた。過去には、まさにそうした恒星間を移動する物質と思われる、塵ほどのサイズの粒子が観測されたこともあった。

 対して、A/2017 U1は、はっきりと観測できる初の天体だ。

 「これはものすごいことです。小惑星を研究する学者たちにとっては、重力波観測のニュースに匹敵するほどです」と、NASAの天文学者ジョゼフ・マシエロ氏は言う。(参考記事:「重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語」「重力波、中性子星の衝突で初観測 貴金属の起源に迫る」)

 「太陽以外の恒星の周りで、どのように惑星ができたかが見られる初めての証拠なのです」

■正真正銘、本物の恒星間天体

 天体学者たちの熱狂は、米ハワイ大学天文学研究所の博士研究員ロブ・ウェリク氏が、ある奇妙なものを発見したときに始まった。10月19日、同大学が所有する「パンスターズ1」望遠鏡がとらえた一連の画像のなかに、太陽系の軌道に乗るには速すぎる小さな点を見つけたのだ。

 ウェリク氏はすぐに同僚のマルコ・ミチェリ氏に連絡をとった。すると、ミチェリ氏もすでに、スペイン領カナリア諸島にある欧州宇宙機関(ESO)の望遠鏡でその奇妙な天体をとらえていた。これらの画像から、ふたりは天体の軌道をたどり、スピードを計算した。

 「太陽系に入る前の軌道までさかのぼってみると、秒速26キロで動いていました。これは相当なスピードです」とウェリク氏は言う。

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