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ルネサンスの斎藤敏一会長

ルネサンスの斎藤敏一会長

スポーツクラブ大手、ルネサンスを創業、現在会長をつとめる斎藤敏一氏は京都大学工学部出身。大日本インキ化学工業(現DIC)で試験管を振っていた元「化学屋」だが、社内で落語同好会やテニスサークルを次々立ち上げ、そこからルネサンスの前身を起業した。同社はいま、競争の激しいフィットネス業界で利益率ナンバーワン。「働きがいのある会社」のランキングにも5年連続でランク入りしている。その独特の経営手法や人材育成法について聞いた。

「サービス産業=生産性低い」の常識を覆せ

――過去10年、売上高は東日本大震災直後に微減となった以外、右肩上がりで増加し、利益率も業界トップです。

「私が特にこだわってきたのは生産性の向上です。サービス産業はずっと労働生産性が低いと言われてきた。特にフィットネスといえば、一番ベタな人海戦術でやってきた業界です。でも私は『化学屋』の性分なのか、論理的になぜ低いのかを突き詰めたくて、発起人になった『サービス学会』でも学者とかなり議論してきました。そんな中で、会社としてサービス業でも生産性を上げられることを実証しなければと考えていました」

「インストラクターなど体育会系の従業員も多い会社で、労働生産性の『数式』まで持ち出して議論しているのは珍しいでしょうね。労働生産性は、会社あたりの付加価値額を、従業員数もしくは労働時間で割ったもの。それを上げるためには、分子を大きくするか分母を小さくするしかありません。今まで日本の製造業では分母に注目して、人材投入を少なくしたり、ロボットを導入したりしてきたために、『生産性の向上=コスト削減』と思われてきた。でもホスピタリティが求められるサービス業では、人を減らすことが必ずしも良いとは限りません。それよりも分子の付加価値を高めるところに注目しようと繰り返し言ってきました」

テニス×ICTで顧客満足度を上げ、利益もアップ

――分子の付加価値を高めるため、具体的に何をしたのですか

「例えばテニスの90分の授業で、コーチ1人で生徒さんが9人いたとします。単純に計算すれば1人10分しかコーチに指導してもらえない。そこでいかに実際の時間以上の価値を提供し、顧客満足度を上げるかが勝負です」

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