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360度動画で体感 訪ねたい文化財カフェ12選

NIKKEIプラス1

2017/11/5 NIKKEIプラス1

東1位 自由学園明日(みょうにち)館 770ポイント
ライト設計のデザイン体感(東京都豊島区)

都心のターミナル駅の目と鼻の先にあるとは思えない、静寂に満ちた空間は独自の教育理念を追い求めた自由学園の歴史そのもの。日本の建築史に大きな足跡を残したフランク・ロイド・ライトが設計したことでも知られる。

関東大震災や東京大空襲による焼失も奇跡的に免れた建物は「保存状態がよく、密度の高い細部のデザインが美しい」(五十嵐太郎さん)。直線を効果的に用い、入り口付近を意図的に狭くすることで中の空間を広く見せるなど、ライトらしさが随所に見られる「建築、デザイン好きの聖地」(高橋俊宏さん)。家具や照明などからも「シンプルで力強いライトのデザインの魅力を体感できる」(川口葉子さん)。

中央にあるホールは、見学コース(有料)のカフェとして使われている。コーヒーと焼き菓子など最小限のメニューだが「効率性とは正反対なぜいたくな造りの中で過ごす時間が心地いい」(富本一幸さん)。喫茶付き見学は大人600円。

(1)JR池袋駅から徒歩5分(2)1921年(3)10~16時(4、5日は17時まで)(4)03・3971・7535

東2位 富士屋ホテル「オーキッド」 760ポイント
豪華列車のような空間(神奈川県箱根町)

明治から戦前の日本を代表するクラシックホテルは「外国人向けに造られ、独特な和風の再解釈が興味深い建築」(五十嵐さん)。カフェは両面を窓と照明に挟まれた、豪華列車のような空間が特徴で、「歴史が紡いできた重厚な雰囲気を楽しめる」(富本さん)。菓子にも力を入れており「ジョン・レノンが好きだったアップルパイはリンゴぎっしりの伝統的なレシピでおいしい」(川口さん)。

(1)箱根登山鉄道宮ノ下駅から徒歩約7分(2)1891年(3)9時~21時(4)0460・82・2211

東3位 タチカワカフェ 510ポイント
和洋折衷が目を引く(北海道函館市)

函館市旧市街にある、ひときわ目を引く和洋折衷のモダンな建物。回船業で財をなした太刀川家の住宅店舗として建てられた。堂々とした外観と内装は「明治期の成功した商家がどれほど豊かだったかうかがえる」(川口さん)。調度品からも歴史を感じられ「一杯のコーヒーは空間も味わうものだと実感する」(富本さん)。港の雰囲気と一緒に満喫したい。

(1)函館市電大町駅から徒歩3分(2)1901年(3)10時~18時(4)0138・22・0340

東4位 大正浪漫喫茶室 480ポイント
そこは童話の世界(青森県弘前市)

弘前出身で日本商工会議所初代会頭も務めた藤田謙一の別邸。モルタル塗りの外壁と赤いとんがり屋根が特徴で「童話のようで愛らしい」(江沢さん)。ステンドグラスは当時のまま。青森らしく「リンゴを使ったスイーツや飲み物がずらりと並ぶ」(川口さん)。弘前城とセットで回ると無駄がなく「混雑しても訪れる価値はある」(富本さん)。

(1)土手町循環バス市役所前から徒歩5分(2)1921年(3)9~17時(4)0172・37・5690

東5位 トレイクル マーケット&コーヒー 390ポイント
大正時代と現代が同居(千葉県館山市)

「大正期のレトロ洋館と今風のコーヒースタンドが同居している」(音喜多さん)。銀行として鴨川市に建てられ、昭和初期に移築。2016年にカフェに生まれ変わった。改装費の一部をクラウドファンディングで調達し、フェアトレードの豆を使うなど「今の時代感から生まれたカフェ」(高橋さん)。「東京からの距離感もよく日帰りドライブに」(山田さん)。

(1)JR館山駅から徒歩20分(2)1922年頃(3)11~18時(4)0470・49・4688

東6位 スターバックス弘前公園前店 360ポイント
かつては市長公舎(青森県弘前市)

陸軍師団長の官舎だった木造建築。終戦後は進駐軍の司令官宿舎、弘前市長公舎として使われた。「建物が丸ごとスタバで、部屋ごとに変化のある空間が楽しめる」(川口さん)。「青森の工芸がちりばめられ、インテリアも必見」(江沢さん)。弘前城公園の目の前で「積雪のころ訪れたい」(大西さん)。

(1)弘南鉄道中央弘前駅から徒歩18分(2)1917年(3)7~21時(4)0172・39・4051

◇  ◇  ◇

ランキングの見方 数字は選者の評価を点数化。カフェの名称、所在地。(1)アクセス(2)入居する建物(文化財)の竣工年(3)営業時間(4)問い合わせ先。写真は東日本1、2位、西日本1~3位瀬口蔵弘撮影、東日本4位弘前観光コンベンション協会、同6位スターバックスコーヒージャパン、西日本6位松渕得之撮影、ほかは各施設提供。

調査の方法 カフェ専門のライターやコンサルタントらに聞き、建物が文化財に登録されているカフェの中から34カ所を選出。歴史的価値や独自性、居心地の良さなどの観点で順位を付けてもらい、集計した。選者は以下の通り(敬称略、五十音順)。

五十嵐太郎(東北大学大学院工学研究科教授)▽江沢香織(トラベル&フード&クラフトライター)▽大西貴史(コーヒーコンシェルジュ)▽音喜多孝夫(カフェブロガー)▽川口葉子(東京カフェマニア主宰)▽高橋俊宏(「Discover Japan」統括編集長)▽竹内厚(「美しい建築の写真集 喫茶編」編集者)▽富本一幸(トラベルニュース編集長)▽中村あゆみ(ことりっぷ編集部)▽山田祐子(井門観光研究所代表)

[NIKKEIプラス1 2017年11月4日付]

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