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ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している紀伊国屋書店大手町ビル店に戻る。このところ突出した売れ行きを見せる本は出ていないが、ビジネス書全般は好調で、前年同月で比べるとプラスで推移しているという。企業もののノンフィクションから経済学の本、金融関連と満遍なく売れている印象だ。そんな中、今週に入って売れ始めたのが、元日銀マンによるビットコインとブロックチェーンの今後を見通す1冊だった。

元日銀、決済の専門家が執筆

その本は中島真志『アフター・ビットコイン』(新潮社)。著者の中島氏は日銀で調査畑を歩み、現在は麗沢大学教授を務める。決済分野の調査研究が長年のテーマのひとつで、国際決済銀行(BIS)出向時には、決済に関する国際的なルールづくりにも関わった。そうした立場から、今ブームの感があるビットコインと、その中核技術であるブロックチェーンのこれからの潮流を論じたのが本書だ。

本書の狙いの第一は「ビットコインの影の部分」にも、きっちりと光を当てることだ。著者によれば、金融関係の国際会議に出ると、2013~14年ごろはビットコインが大きなテーマとして議論されることが多かったが、15年を境に議論にのぼることがほとんどなくなったという。「限定されたユーザーのみのニッチな商品であり続ける可能性がある」(BISの15年の報告書)という見方が有力になりつつあるようだ。

その一方、中核技術のブロックチェーンについては、「金融の仕組みを根底から覆すかもしれない潜在力を持っている」という期待が高まっており、金融界で様々な実証実験が進行中という。

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