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中田敦彦 私が漫才を捨て、「音ネタ」を選んだ理由

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NIKKEI STYLE

卓越したプレゼンテーションやコメンテーターとしての鋭い発言、RADIO FISHとしての音楽&ダンスパフォーマンスなど、芸人の枠に収まらず多様な才能を発揮している、オリエンタルラジオの中田敦彦。11月3日に自著『天才の証明』を刊行。どんな人にも適材適所があり、その人が生まれ育った資質を伸ばし磨いていく方法があると説く。オリエンタルラジオが漫才を捨て、音ネタを選んだのも、その実践のひとつだ。

――『天才の証明』はどんな本なのでしょうか。

デビューからずっと考えてきた「才能」について、試行錯誤したゆえにたどり着いたことをまとめました。僕は常々、1つのグループや企業の中にいて合わないとか力を発揮できないと感じている人は、環境を変えるべきだ。フィットする環境さえ見つかれば、どんな人も誰にも負けない才能を発揮できるし天才になれる。そう確信しています。

ある場所で無能と呼ばれる人間が、ある場所では天才と呼ばれることがあります。もちろん、その逆も。天才物理学者のホーキング博士だって、漁船に乗れば無能です。彼に漁業はできませんよね。あまりにも当たり前のことなのに、多くの人は「これがルールだから」と、自分のいる場所の評価基準でがんばってしまいます。

――オリエンタルラジオとしてデビューし、同時にリズムネタ『武勇伝』でブレイクしたのは2004年。13年がたちました。

デビューして10年間は、僕自身もお笑い界にある既存の価値観にとらわれていました。

『武勇伝』は、「学生の宴会芸か!」などと先輩たちからさんざん揶揄(やゆ)されました。『武勇伝』人気によるバブルが落ち着いたころには、お笑い界全体の流れが自分たちには逆風になってもいました。ショートネタブームが失速し、『M-1グランプリ』の人気に代表される漫才のほうに、メインストリームが移ったのです。

そんななか、お笑い界のスタンダードが漫才ならば、そこで結果を出すしか生きていく道はない。門はここしかない。そんな思いで漫才を本気で勉強し、売れているコンビのネタを分析して吸収し、あの手この手でネタを作り、練習しました。物事を分析するのは得意なので、ヒット作や人気ネタから仮説を立て、自らのネタに取り入れて形にすればできるはずだと考えたのです。

ところが、漫才は難しかった。漫才が、特段に難しいというのとは違います。誰しも向いていないことをやると、難しいのです。

勝てないなら、勝てる方法を探るべき

そうやって不向きな漫才にあらがっていたときに現れたのが、若手コンビ、8.6秒バズーカーでした。リズムネタ『ラッスンゴレライ』で彼らは15年にブームを起こすわけですが、ネタを初めて見たとき、正直ぎょっとしました。

漫才隆盛の時代に、オリエンタルラジオがもう要らないと見向きもしていなかった『武勇伝』に似たものが、10年のときを経て新鮮に受け入れられていることにおののきました。同時に、自分たちがやっていたことが形を変えて通用していることに感動もしました。

彼らのおかげで、原点に返りました。オリエンタルラジオの強みは音楽で、既成の演芸ではすべてを表現できないと。そこから試行錯誤を経て到達したのが、RADIO FISHというユニットを組んでの『PERFECT HUMAN』のパフォーマンスです。

『PERFECT HUMAN』は、自分たちが勝負できる得意なことを緻密に積み上げ、結実したものです。勝てないなら、勝てる方法を探るべき。どんな人も自分の力を最大限に発揮できる場所や方法はあります。「ここしか世界がない」。そう思うことが一番良くありません。

――16年は、音楽&ダンスユニット・RADIO FISHとしての活動が花開いた1年でした。

デビューしてから今もなお、お笑い界で重視されている芸人に対する評価基準は、「漫才」「コント」「大喜利」だと思います。この3つのうちどれかに秀でていなければ、芸人としてなかなか認めてもらえません。

『PERFECT HUMAN』の動画再生回数が何千万回と伸びてブームの渦中にいたときも、「これは歌ですか? ネタですか?」「漫才はもうしないのですか?」と何度も聞かれました。こんなふうに聞かれることは、僕がお笑い界に抱いている閉塞感にもつながっています。歌かネタか。どっちだっていいのです。

演芸とは、「漫才」「コント」「大喜利」だけではありません。「漫才でお笑い界の頂点を目指す」と若手芸人がこぞって『M-1グランプリ』での優勝を目指すのは、マジックにたとえると「みんなでスプーン曲げを競っている」状態です。

帽子から鳩やハンカチを出すのもマジックだし、人間を浮かせ、トランプの数を当てるのもマジックで、種類はたくさんありますよね。スプーン曲げはマジシャンのワザの一部でしかなく、その時期に隆盛を誇った技術にすぎません。そして、過去の技術で勝つことにこだわっていても、新しい時代のスターにはなれないと僕は思います。

お笑い界の世界も同じ。人々を魅了して、楽しければどれも「笑い」です。『PERFECT HUMAN』は、「理解できない」「こんなものは笑いじゃない」との反応もありました。こういった意見は、喜ばしいことと受け止めています。これまで時代を変えてきた新しいものは、前の世代からの激しい反発なしには生まれないと考えているからです。

16年は、渡辺直美、ピコ太郎のプロデューサーである古坂大魔王さんが同時期に受け入れられた年でもありました。17年に注目された芸人を見ても、ブルゾンちえみ with Bをはじめ、「漫才」「コント」「大喜利」を絶対的な価値観とするお笑いの流派とは明らかに違う世代です。

90年代以降から続いてきた、「何を面白いとするか」の価値観に対するカウンターカルチャーが育っているのだと、僕は思っています。

時代が変われば、正解も変わる

――新たな価値観という意味では、オリエンタルラジオはユーチューブでオリジナルのチャンネルを作るなど、昨今のメディアを取り巻く変化にも敏感です。

ウェブメディアの影響力が大きくなるなか、自分はテレビとネットの狭間の世代だととらえています。ウェブメディアが新大陸で、テレビを中心とした老舗メディアが旧大陸とすると、狭間世代ならではの強みは、2つの大陸を行き来できることです。

RADIO FISHの活動として、「RADIOFISH UNION」としてユーチューブチャンネルを作ってあります。テレビのネタ番組へ出演するときは、そのネタを公式動画としてユーチューブチャンネルに用意しておくことはもちろん、オリジナルの動画を毎日配信しています。ユーチューバーとして活躍するKOJIKARUくんがデジタル展開を担ってくれているのです。

ユーチューブは、テレビを見た人が気になったときの受け皿になります。テレビタレントでありながら、テレビ出演だけを目的にせず、ユーチューブでの再生回数を上げてバズらせる仕掛けもしているわけです。

個人としては、積極的にSNSによる発信をしています。SNSにも向き不向きがあって、ツイッターではカリスマだけれど、別のSNSではほとんど話題にならない人は少なくありません。短文でものの本質を表す能力が高い人がツイッターと相性がいいのに対し、自分は短いフレーズで心をつかめるほうではない。

活字による発信よりもしゃべるほうが好きという特性もあり、今秋からはインスタライブを始めました。「中田の部屋」とのタイトルで、実際に自分の部屋からほぼ毎晩生配信しています。

時代が変われば、正解も変わります。時代のニーズをつかみながら、自身の才能を精緻に見つめて磨き、これからも様々なパフォーマンスで見る人を魅了していくつもりです。

書籍『天才の証明』

 『武勇伝』での鮮烈デビューから『PERFECT HUMAN』のパフォーマンスに至るまでの軌跡と、中田敦彦がトライ&エラーを繰り返し実践したからこそたどり着けた、新時代の才能論。「才能はピンポイントで考えるべき」「勝てるところで努力する」「優れるな、異なれ」など、30のメッセージを提言している。(日経BP社/1400円・税抜)
中田敦彦
 1982年生まれ。慶應義塾大学在学中に藤森慎吾とオリエンタルラジオを結成し、2004年にNSC(吉本総合芸能学院)へ入学。同年、リズムネタ『武勇伝』が話題となりブレイク。バラエティー番組を中心に活躍する。16年には音楽ユニットRADIO FISHによる楽曲『PERFECT HUMAN』が大ヒット。音楽パフォーマンスで話題を呼ぶほか、プレゼンテーションやコメンテーターとしての発言など様々な面で注目されている。

(ライター 平山ゆりの)

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