オリパラ

2020フォーラム

東京ではホテル余剰も みずほ総研、20年予測が一転 想定超える新設ラッシュ、民泊の全面解禁も影響

2017/11/6

東京ではホテルの新設が相次いでいる(3月に開業した中長期滞在型の「アスコット丸の内東京」)

 急伸するインバウンド(訪日外国人)にホテルが追い付かない――。2016年頃まで、そんな危機感が日本を覆っていた。だがそれから1年余りで、東京など大都市ではホテルの新設計画が次々と浮上。一般の民家に旅行者を泊める民泊も18年6月に全国で解禁されることが決まった。こうした変化を踏まえ、みずほ総合研究所の高田創チーフエコノミストは「東京のホテルは五輪・パラリンピックが開かれる20年に余剰になる可能性がある」と話す。当初の不足予測が一転した背景について聞いた。

■4000万人の政府目標「実現堅い」

みずほ総合研究所でチーフエコノミストを務める高田創専務執行役員

 ――まずインバウンドの見通しについてうかがいます。現在の年間2400万人を20年に4000万人に増やすという政府目標は達成可能でしょうか。

 「実現は堅いのではないでしょうか。現実的な目標になっていると思います。所得が増えている東アジアの中産階級は日本の文化を好んでおり、採り入れたいという思いが強いです。日本を旅行した後、リピーターになる比率も非常に高い。クルーズ船による訪日も増えているし、民泊も増えるでしょう」

 「日本はモノをつくって輸出する時代が続いてきました。それに対してサービスの輸出にあたるのがインバウンドで、日本にとってはビジネスモデルの大きな転換です。少し前まで訪日外国人を年1000万人にすることも夢物語といわれていましたが、この4~5年で環境は様変わりしました。今の状況は『第二の開国』に近いです」

 ――みずほ総研は16年8月の試算で、20年に訪日外国人が4000万人まで増えた場合、全国でホテルが4万4000室足りなくなると予測していました。現時点の見通しを教えてください。

 「その後に明らかになったホテルの新設・増設計画に加えて、民泊やクルーズ船を利用する人の増加見通しを踏まえて、17年9月に改めて試算しました。すると20年の通年でみた場合、全国のどの地域でもホテルが不足しないという結果になりました。不足する可能性がある地域は大阪だけで、訪日外国人の滞在日数が想定より上振れした場合に800室、訪日外国人と日本人の両方が上振れしても3800室が足りなくなる程度です。ホテルや旅館が逼迫するという懸念は大幅に後退しています」

みずほ総研のインバウンド予測

 ――東京都内ではホテルの建設ラッシュが続いています。むしろ余るのではありませんか。

 「東京では超過供給の状態になる可能性があります。特にクルーズ船や民泊の利用者が増えれば、余りやすくなります。宿泊施設のセグメント(区分)も変わるでしょう。(中価格帯の)ビジネスユース、(高価格帯の)ハイエンドは今後も残りますが、(低価格帯の)バジェットホテルのクラスでは民泊が一定量の割合を占めると思います」

 「もっとも月次でみると、五輪が開かれる20年の8月は東京の宿泊施設が足りなくなる可能性があります。日本人による利用が増えるためです。12年夏にロンドン五輪が開かれた時も、ロンドンでは外国人から自国民への宿泊シフトが起きて、外国人の宿泊者のシェアが下がりました。こうした一時的な需給の逼迫には、民泊のように人手がかかりにくい方法で対応する必要があります」

オリパラ新着記事

ALL CHANNEL