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じぶん働き方改革!3つの「効率化ベタ」を撲滅しよう

日経ウーマンオンライン

2017/11/10

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 「働き方改革」と言っても、会社や人事の変革を待っていてはいつまでたってもらちが明かない。働き方改革のコンサルティングを行っている池田千恵さんが、明日からすぐに実践できる仕事術・時間術などを紹介します。今回は作業効率化のコツを教えます。

■忙しいから時間がないのではない 時間をつくらないから忙しい

 前回の記事「会社に頼らず始めよう!『じぶん働き方改革』」では、はじめに、ということで次のようなことをお伝えしました。

・「働き方改革」は今までの日本の労働観を根本的に変えなければいけない改革のため、あと数年社会の混乱は続く

・その間負担は増えるばかりで今はつらいかもしれないが、つらいからと自分の改革を怠っていると、いつのまにか仕事自体がなくなってしまう危険性がある

・会社の変化を待つ間、自分自身の進化を止める必要なんてない。今から刃を研いで、いつまでも変わらない会社なんて見切ってしまえるくらい実力を付けよう

 「理屈は分かった。ぜひそうしたい。でも、肝心の、実力を付けるための時間がいつまでも取れないのが悩み」

 「仕事がどんどん増えていく中で、自分の時間なんてどう考えても作れない!」

 そんな気持ちでいる中、酷かもしれませんが、何が何でも、こじ開けてでも、まず最初に考える時間をつくることが一番大切です。なぜならば、「忙しすぎて考える時間がない!」というのは間違いで、「考える時間をつくらないから、いつまでたっても忙しい」からです。

 いつも時間がない、ない、という人に限って、時間が有限だという意識が希薄です。 意志をもって、考えるための「余白の時間」をつくるからこそ、改善のためのアイデアも生まれるのです。

■「すぐ動け」と言っている人も、動く前に考えている

 「考えないで動く派」「まず実践することを信条としている」というように、行動力旺盛で結果を出している方も多くいます。しかし長年そういった方々を観察して分かったのは、ただやみくもに突っ走り、数打ちゃ当たる、というつもりで「まずは動け!」と言っているわけではないということでした。どんなに行動が早い人でも「こうではないか?」と解決策を予測して考え、行動し、検証をするというプロセスを繰り返すことなしに動くことはしないのです。考える、という作業は地味なので、一見何もしていないように見えるだけのことですし、長年の経験から考えるプロセスが短くて済むように進化しただけのことです。

 考える時間を十分に作らずに、とりあえず目の前の問題を解決しよう、ということに目がいってしまうと、「そもそも」の部分を考えるまでに至らないまま疲れ、失速してしまいます。

 ですから、まずは、とにかく、こじ開けてでも考える時間をつくる、ということが最初にすることです。その目的があってこその作業効率化であることを忘れないでください。

 では具体的に、どうやって作業を効率化していくかについてお伝えしましょう。

■効率化は引き算の美学だ

 作業効率化にあたり、まずすべきこととして思い浮かぶのは、いわゆる「時短」(今やっている作業にかかっている時間を短くしたり、複数の作業を同時にこなしたりする)です。時短というと、あれもこれも同時にこなすことや、作業スピードを上げることと思われがちですが、実は何もかも同時にやる、というより、何をやらないかを決めることが重要なのです。二度手間にならないよう作業を前もって段取ったり、余計なことをやらなかったり、一度苦労したことで二度と苦労しないようにしたりすることを意識しましょう。つまり、足し算の効率化ではなく、引き算の効率化です。

 引き算の効率化を実現するためには「段取りベタ」「優先順位ベタ」「標準化ベタ」の3つの「ベタ」を撲滅する必要があります。3つのベタについて順番に説明しましょう。

【段取りベタ】

 段取りベタの特徴は3つです。

1.仕事の前に、今日一日をシミュレーションする時間をとっていない
2.自身の作業がどのくらいかかるか把握していない
3.細切れ時間にすべきことをリストアップしていないから、ぽっと空いた時間をムダに過ごしてしまう

 何時に終わる? いつまでにできる? という自分の見積もりや、自分が進めた作業を上司・取引先が確認できるタイミングを前もって確認せず始めることにより、二度手間が多く発生して時間をムダにしてしまうのがこのタイプです。

 実は私自身が段取りベタだったので痛感しているのですが、今日一日の流れをイメージしてから逆算して段取りを組む、というひと手間があるかないかで、残業の量は劇的に変わります。

【優先順位ベタ】

 優先順位ベタの特徴は3つです。

1.サービス精神旺盛で自分がやらなくてもいいことまでやってしまう(過剰品質)
2.とにかく頑張れば道は開けると思っている
3.仕事の全体像とゴールを確認できていない

 仕事が速い人は、自分が力を入れることで組織が最大限にパワーを発揮する仕事にエネルギーを注力します。一方、頑張っているのに仕事ができない、評価されないと感じている人は、自分がやらなくてもいいことまで、やらなければいけないことと同じくらいの労力をかけてしまうのです。そのため本来すべきことがおろそかになり、全部中途半端になり、その結果、頑張っているのに評価されないという事態に陥ります。

【標準化ベタ】

 標準化ベタの特徴は3つです。

1.「自分でやったほうが早い病」にとりつかれている
2.探し物に多くの時間を取られている
3.マニュアルがないので同じ間違いを何度も繰り返してしまう

 周囲に説明する暇があったら自分でさっさと済ませてしまったほうがラクと考え、マニュアル化すべきことをしていないがために、自分が休むと業務が回らない状態になりがちです。また、「こういうときはこうする」の基準を明確化していないために、モノの置き場が一定でなかったりして探し物に時間がかかったり、毎月、毎年、同じように準備すべき業務も「前はどうだったっけ?」と過去のメールや資料を探すことで時間の大半を取られてしまうタイプです。

 自分が3つのベタにはまってしまっていないか、定期的に振り返り、つぶしていくようにしましょう。

■3つのベタをつぶすためにすべきこと

【段取りベタにオススメの対策】

・自分の作業見積もりを出してみる

→ 忙しいと思っていても、ひとつひとつの作業をあとで振り返ると、実はたいしたことをしていなかった、ということはありませんか? 意外に自分が何にどれだけ時間をかけているかを把握できていないものなので、まずはストップウオッチを用意して、自分の仕事内容を把握してみることをおすすめします。

・細切れ時間に進める仕事をリストアップしてみる

→ 突然の時間変更など、突然できた空白の時間や待ち合わせ前のちょっとした数十分を、ネット徘徊などで無為に過ごすことを避けるだけでも時間は有効に活用できます。細切れ時間ができたら進めたい仕事をリスト化しておき、予定が空いたときに見返すようにすることをおすすめします。

【優先順位ベタにオススメの対策】

・チームへの貢献度×自分の担当度のマトリクスで仕事を割り振る

できる人は上半分に注力しているのです

 過剰品質に陥りがちな人は、自分が動くことで最大限効果がある作業の見極めに時間がかかっていることが多いものです。上記の図を参考に、上半分の仕事に注力するよう意識するだけでもだいぶ変わります。なお、このタイプは頭では分かっていても相手とのコミュニケーションで遠慮してしまい、つい余計な仕事まで引き受けることになる場合も多いのです。

【標準化ベタにオススメの対策】

・自分の作業手順書を作ってみる

→ 急に「来週から違う部署に異動して!」と言われたら慌てますよね。仮にそんなことがあっても大丈夫なよう、一度自分がしている業務内容の作業手順書を作ってみましょう。あなたの仕事を全く知らない人が見ても、仕事内容が分かるように手順書を作ることができたら、「自分でやったほうが早い病」から脱却することができて、人に任せることがラクになります。

・物、情報の定位置を決めてみる

→ 探し物で時間を取られ、本来の仕事に取りかかるのに時間がかかることが多いのがこのタイプです。何がどこにあるかが分かるよう、引き出しの物の定位置を決めたり、ファイルの名前の付け方にルールを決めたりして、探し物での時間のロスを最小限にするだけでだいぶ仕事がスムーズに回っていきます。

池田千恵
 株式会社 朝6時 代表取締役。慶應義塾大学総合政策学部卒業。外食企業、外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。企業や自治体の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築している他、「働き方改革プロジェクト」「女性活躍推進プロジェクト」など、ミドルマネジメント戦力化のためのコンサルティングや研修を行っている。「絶対! 伝わる図解」(朝日新聞出版)、「朝活手帳」(ディスカヴァー21)など著書多数。

[nikkei WOMAN Online 2017年10月25日付記事を再構成]

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