さらに高橋学長は「女性の場合は結婚、出産、育児で一時キャリアを離れることもありますが、そんな厳しい条件の中でもがんばっているOGの声も聞かせてもらう。津田塾にはロールモデルがたくさんいるので、女子学生に特化したキャリア教育ができるのです」と強調する。確かに共学の大学では女性に限定したリーダー教育は難しい。

就職先は第1志望、第2志望が計96%

現在の津田塾は、偏差値でみて最難関大学とは言い難い。「入学時の偏差値は、私学では慶応義塾大学や早稲田大学よりも下。MARCH(通称マーチ、明治、青山学院、立教、中央、法政)クラスですね。四半世紀前なら早慶を蹴ってでも入るトップ私学といえる存在だったが、今は女子大人気が低迷しているので、相対的に偏差値は下がっている」(大手予備校関係者)という。

「武蔵野の森」に抱かれた小平キャンパス

ただ、社会の評価は今も高い。就職先には日本銀行、三井物産など人気企業がずらりと並ぶ。96%が第1志望、第2志望の企業に就職。総合職・専門職に就く女性も94%を占める。津田塾OGは「授業はきつい。特に語学クラスやセミナーは20人程度の少人数が基本ですから、先生に顔をすぐ覚えられます。英語の授業は、予習せずには怖くて出られませんでした。大変でしたが、就職は楽でした」と振り返る。

高橋学長は「入試の偏差値が下がったといわれますが、その分、伸びしろがあります」という。女子大の中には共学にするところもあるが、津田塾大学はOG、教職員との話し合いの末、30年の大学のビジョンを「変革を担う、女性であること」と定めた。これからも「変革を担う女性」の研さんを生涯にわたり支えていく構えだ。女子大が次々消えゆく中、津田塾はOGパワーを活用して都心の千駄ヶ谷にキャンパスを新設、新たな女性リーダーを育成しようとしている。

(代慶達也)

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