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女子大は生き残れるか 津田塾、都心から逆襲 津田塾大学の高橋裕子学長

2017/11/5

東京郊外にある津田塾大学の小平キャンパス

私立女子大学の最高峰、津田塾大学(東京都小平市)。東京の郊外にあり、まじめな女子学生が黙々と勉強する大学というイメージだが、2017年4月に渋谷区千駄ヶ谷に総合政策学部を開設、都心に学部生のキャンパスを設けた。少子化や受験生の女子大離れで、女子大は1998年の98校をピークに16年には77校に減少。共学に転じたり、不要論も飛び出すなか、名門女子大はどう生き残りをはかるのか。

■東京駅から20分の都心キャンパス

津田塾の小平キャンパス。落ち着いた風情の女子学生がキャンパスの中をさっそうと歩く。グループで群れる姿はほとんどなく、ファッションも決して派手ではない。

キャンパスの周辺には畑も広がり、まさに武蔵野の森の様相だ。JR東京駅からだと、中央線を経由して1時間かかる。それが千駄ヶ谷までだと、20分程度だ。近年、私立大学では学生を確保するため、郊外から都心回帰の流れが鮮明になっている。明治大学や法政大学は既存の都心キャンパスの高層化を推し進め、青山学院大学も本拠地の青山キャンパス(渋谷区)に文系学部を集約。郊外の多摩キャンパス(八王子市)に移転した中央大学は、看板の法学部を都心に戻す。現在、理工学部がある文京区の後楽園キャンパス内に移転するのだ。

しかし、津田塾の場合、単純に学生獲得のために都心キャンパスを設けたのではないようだ。

津田塾大学の千駄ケ谷キャンパス

高橋裕子学長は、「都心に学部生のキャンパスを設けたのは企業や国・自治体、NGOなどの組織と連携しやすいからです。総合政策学部は、課題解決能力の高い女性リーダーを養成します。実は、ここは2020年の東京五輪のメインスタジアムから一番近い大学にもなります。それもあって国内外の多様な組織と提携し、一緒になって課題解決にあたっていきます」と話す。

総合政策学部では「実践的な英語」「ソーシャル・サイエンス」「データ・サイエンス」の3つの基礎科目をベースとして、企業や官庁などから講師を招いたり、実際の現場に足を運んだりしながら、課題解決方法などを学ぶ。「津田塾は教員が熱心で授業が厳しい。まだスタートして半年ですが、千駄ヶ谷からも、すでに勉強が大変だという声が聞こえています」と、高橋学長は笑いながら話す。

しかし、今どき千駄ヶ谷駅前の一等地に大規模な空間を確保するのは至難の業。それを実現したのが津田塾のOGパワーだ。

■OGが一等地を提供

戦後すぐにこの地で英語の専門学校の事業を起こし、大学の経営を支援しつつ、土地を入手したのが元同窓会長の広瀬千代子氏。千駄ヶ谷キャンパスは同窓会ゆかりの財団法人「津田塾会」が08年に解散し、津田塾会が所有していた土地や建物を大学に譲り渡したところから始まる。08年以降、社会人大学院生の授業や公開講座などに使ってきた。千駄ケ谷の活用については、付属校の設置など様々な案もあったが、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論の末、総合政策学部を新設して学部生の通う都心キャンパスをオープンすることになった。

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