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カリスマの直言

バブルは10年に1度 歴史が語る崩壊の予兆(藤田勉) 一橋大学大学院特任教授

2017/11/6

PIXTA
「バブルの生成と崩壊を予測するのは難しいことではあるが、ヒントがないわけではない」

 米国株がけん引する形で連日のように世界の株式相場は高値を更新している。日経平均株価は10月24日まで16日連続で上昇し、史上最長を記録した。さらに27日には約21年ぶりに2万2000円の大台を回復するなど上昇基調が鮮明になっている。

 現在の相場が歴史的な局面であることは間違いない。例えば、世界の相場をけん引する米国株(S&P500種)は2009年の安値から17年の高値(10月27日時点)までで3.8倍になった。上昇相場としては、02年の安値から07年の高値までの2.0倍を上回る。つまり、現在の上昇相場はリーマン・ショックを生んだ米国住宅バブル時よりも長くて大きい。

■何度もバブルとその崩壊を経験

 「歴史は繰り返す」という格言通り、歴史は有益な教訓を我々に与えてくれる。筆者は何度もバブルとその崩壊を経験してきた。そこには、以下のような共通した教訓がある。

 第1に、バブルはおよそ10年に1度やって来るということである。日本株でいえば、過去30年間に3度のバブルがあった。1度目は日本経済のバブル(株価のピークは1989年)、2度目はIT(情報技術)バブル(同2000年)、3度目は米国住宅バブル(同07年)だ。バブルが10年に1度やってくるとすれば、2020年前後のピークに向けてそろそろバブルになるタイミングといえよう。

 第2に、バブルは崩壊して初めてバブルとわかるということだ。筆者の経験からも、株価のピーク時は相場を転換させる直接的なきっかけは見極めにくい。日本のバブル崩壊、ITバブル崩壊、米住宅バブル崩壊といった過去の事例を見ても、相場が転換するまでは強い過熱感はあったものの、これがピークであるとはっきりとはわからなかった。ある日突如として相場が転換し、気づいたときには長期下落相場に突入していた。

 第3に、崩壊しないバブルはないということだ。上昇相場の最終局面では熱狂の中で相場は鋭角的に反転し、その後急落する。日経平均の下落率は、日本のバブル崩壊(1989~92年)が63.2%、ITバブル崩壊(2000~03年)が63.5%、米住宅バブル崩壊(07~09年)が61.4%と大きい。これは、今回の相場がいったん崩れれば、株価が半値以下になる可能性があることを示唆する。

 バブル発生の経済的な条件は、(1)好景気(2)低インフレ(3)低金利――が同時にそろうことである。通常は景気がいいと、インフレ率が上がり、つれて金利が上がる。しかし特殊な理由があると、好景気でもインフレ率が低水準にとどまり、その結果、過度な金融緩和が続く。

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